過去のヒトではなかった…!「倉木麻衣」の目立たず売れる実力

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出典:「倉木麻衣公式WEBサイト」より

サンスポによると、歌手の倉木麻衣(34)が12月17日、横浜たまプラーザテラスでクリスマスライブを行ったらしい。

 

今年、中国でツアーは開催したが、日本での公のイベントは初とあって同所史上最多となる約3500人が来場。来年1月発売の新曲『YESTERDAY LOVE』を初披露するなど、6曲で美声を響かせた。ヒット曲『always』では、70人のちびっ子サンタと共演。子どもたちが「楽しかった!!」と喜ぶ声に、倉木は「私にとって素敵なクリスマスプレゼントになりました」と笑みを浮かべた。

 

簡潔でこそあれ、注目すべき情報が高い濃度で散りばめられた、まことに興味深い記事である。

 

とりあえず、横浜たまプラーザテラスで史上最多となる3500人という数字がどれだけすごいのかは正確にイメージできないのだけども、「史上最多」なくらいの集客力をいまだキープし続けている事実に驚いた。

 

また、「今年、中国でツアーは開催したが〜」とサラリ書き流しているが、コレってどーいうこと? ウィキペディアで調べてみると、韓国や中国や台湾では絶大なる人気を誇り、ライフワーク的なボランティア活動も含めて、いろいろと精力的な活動を行っているみたいだ。なのに、なぜ私をはじめとする日本国民の(おそらく)多くは、この倉木が「それなりの集客力をいまだキープし続けている事実」に驚いているのだろう?

 

なにを隠そう、私はこの倉木麻衣の顔が非常に好みであって、公私ともどもに「好きなタイプの芸能人は?」と質問されたときには「倉木麻衣」と答えるよう、倉木が大ブレイクを果たした2000年あたりから常日ごろ努めていたんだが、いかなるわけかその回答をつい忘れてしまいがちで、いつも「プライベートでお会いすることもお話もできない芸能人には興味ありません」などと会話の腰を折るダメなリアクションしかできない、使えないヤツと成り下がってきた。つまり、私をはじめとする日本国民の(おそらく)多くにとって、倉木麻衣とはそういう存在なのではなかろうか。

 

宇多田ヒカルの二番煎じ、人気絶頂期にあえての立命館大学進学、絶縁した実父との確執(ちなみに、この実父が倉木麻衣のそっくりさんとして売り出したとの噂があるAV女優の倉本まいと私は懇意の仲であったが、倉木麻衣にはちっとも似ていなかった)……と、デビュー当初はなにかと話題の尽きなかった倉木だが、以降は地下に潜伏するようなかたちで、地道にコアなファン層を増やしていった……。

 

もちろん、15年以上も生き永らえているアーティストが実際「地下に潜伏」なんてケースはあり得るはずもなく、じつのところはわりとコンスタントにテレビやら今回のごとくスポーツ新聞やらにも登場していたりもするみたいなのだが、その残像がまったく私の脳内にインプットされていないのだ。

 

倉木麻衣とは、本来まったく矛盾した「目立たない」と「売れる」の概念を絶妙なさじ加減で両立させる稀なアーティストなのかもしれない。スタート時点で中傷や醜聞にまみれ、叩かれることに対する防衛本能が異常成長してしまい、結果「目立たないように売れる」術を、狙ってるっぽさを微塵とも感じさせない素朴なボランティア精神とともにおのずと育んできたのである。そして、倉木が身につけたその術は、もはや“ベテラン”だけあって「息さえしていないのでは…?」と疑ってしまうほどに熟練を極め、ちょっと油断すれば、即行で「私のタイプは倉木麻衣だった」ことすら忘却のかなたへと追いやられてしまう。しかも、この“売れ方”はいわゆる「長い目」で見ると、案外無敵(MUTEKIではない)だったりする。最後に、武田砂鉄氏の『芸能人寛容論』(青弓社)のP81〜P82から、以下の引用文を紹介させていただこう。

 

島崎和歌子は二十代の時に先輩タレントから言われたアドバイスを、仕事をする上での指針にしているという。先輩はこう言った。

「よく見てなさい。本当に売れている人は、話題になったりしない。話題になる人は、話題がなくなったら消えていく人。話題にはならないけど、コンスタントにテレビに出ている人こそが、芸能界の第一線で活躍している人、本物なんだよ」(島崎和歌子『美人』主婦と生活社)

 

「コンスタントにテレビに出ている人→コンスタントにライブ活動や新作リリースを行っている人」「芸能界の第一線→音楽界の第一線」とすげ替えれば……ほら、倉木麻衣の出来上がり。

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山田ゴメス

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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