「イチローの言葉」から見える世界経済の行く末

マネー

近藤駿介

写真:Hiroaki Yamaguchi/アフロ

「イチロー、大谷翔平やダルビッシュの肉体改造に苦言」と少々話の本質から離れたタイトルが付けられているが、イチローの考え方はとても奥深い。

 

「ひざの力を抜いたら肩の力も抜ける」という指摘は武道にも通じるところ。

 

「トラとかライオンはウエイトやらない」という発言は「オシムの言葉」を髣髴させる。

 

「情報が多過ぎて、どれをピックアップしていいかという問題がある」というのは、金融や経済と同じ。資産運用でも最も大切なことは「情報を選択する審美眼と捨てる勇気」。

 

「全くミスなしで間違いなしでそこに辿りついたとして、深みは出ない」。投資で言えば、相場を一発当てて一財産作っても、投資手法として深みが出るわけではないことと同質。

 

「合理的な考え方は凄く嫌い」。勝手にイチローは合理的な考えにしたがってトレーニングもプレーもしていると信じていた人間からするとこの発言には少々驚かされた。「合理的な考え方」の定義が凡人と違うのかもしれない。

 

「今やっていることが無駄だと思ってやっているわけではないが、後から思うと凄い無駄だったと思うことは凄く大事なこと」

 

イチローの「合理的な考え方」の定義は、「手っ取り早く成果を出すための考え方」ということなのかもしれない。だとすると、凡人が考えている「合理的考え方」というのは、イチロー基準でいうと「ドーピング(的考え方)」ということになる。

 

これが正しいとしたら、「生産性の向上」というスローガンを掲げひたすら「合理的社会」を目指す世界経済は「深みのない経済」に向かっているということかもしれない。

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近藤駿介

近藤駿介

1957年東京生まれ。早稲田大学理工学部土木工学科卒業。(原子力の専門家ではありません) ゼネコンで都市トンネル技術者として5年、社長室で2年弱を過したのち金融業界に転身。その後20年以上に渡り、資産運用会...

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