『ドラえもん』現代基準だとそこまで便利じゃない? もはや時代遅れな「ひみつ道具」3選

コラム

citrus 文月

 

「タケコプター」、「どこでもドア」などのひみつ道具が数多く登場する『ドラえもん』。夢のある性能ばかりで一度は使ってみたいと思った人も多いでしょうが、なかには現代の基準だとそこまで魅力的に見えないものも……。今回はそんなひみつ道具を3つ紹介!

 

■インスタント旅行カメラ

 

まずはコミックス第7巻に登場した「インスタント旅行カメラ」をご紹介。

 

2つのレンズが付けられたこの道具は、片方のレンズで風景、もう片方で人物を撮影して、その2つの写真を合成してくれます。そのため、あたかも現地で撮影したかのような旅行写真を作ることができるんです。のび太はこのひみつ道具を使って、何枚も偽の旅行写真を作り、スネ夫のハワイ旅行自慢に対抗しました。

 

ですが、現在は画像編集ソフトやアプリを用いて再現できるようになっているので、この道具を使う必然性はなくなっています。さすがに正確に人物を切り抜いて、背景に合成するのはやや骨が折れる作業でしょうが、多少画像編集の知識があればだれでも簡単に行えることでしょう。『ドラえもん』が連載されていた当時は、画像の合成をするだけでも一苦労だったことが予想されるので、より新鮮で画期的な道具として描かれていたのかもしれませんね。

 

■返事先どりポスト

 

次に紹介するのは、コミックス第2巻登場の「返事先どりポスト」。

 

メールやチャットアプリで連絡を取るようになって久しい今日この頃ですが、『ドラえもん』連載当時はまだまだ手紙でのやり取りが現役でした。ポスト口に手紙を入れることにより、差し出した相手の返信する手紙を事前にゲットすることができるこの道具。作中でものび太が静香ちゃんへのラブレターを送る前に使用しており、大事な連絡、相談の際に真価を発揮してくれそうな道具となっています。

 

ただ先でも触れた通り、現代では手紙での連絡のやり取りは主流ではありませんので、わざわざ返事先取りポストを使う意味はナシ。ポストから返ってくるのは、手紙のみですので、メールやチャットアプリなどの返事は当然来ません。ただ就職希望先への応募書類やバイト先への履歴書の送付など現在でも文書でやり取りするケースはあるので、選考に落ちたときの心理的なストレスを軽減させるぐらいの使い方はできなくもないですね。

 

■レコード製造機

 

最後はコミックス第11巻に登場した「レコード製造機」を見てみましょう。

 

こちらは名前の通り、レコードを作る機械となっています。機械に向けて音を吹き込むと、すぐにレコードやラベル、ジャケットを自動的に生成してくれる優れものとなっています。また必要な分だけプレス可能なので、量産体制も申し分ありません。作中では、「暴れん坊のジャイアンに逆に親切にしてみては」というドラえもんからのアドバイスを受けたのび太が、ジャイアンに歌手デビューを促すべく使用するという少し変わった使い方がされていました。結果、騒音とも捉えかねないジャイアンの歌声が街中に鳴り響くことになるのですが……。

 

近年はアナログレコード人気が高まっており、掘り出しもの目当てに中古レコードショップに足を運ぶマニアも少なくないので、一定の需要はあるかもしれません。が、そういったレコード需要を除けば、今はスマホで音楽を聴くことが主流なのでCDもなかなか売れない時代。ですのでよほどの音楽、オーディオマニアでない限り蓄音機を所持していない人が大半でしょう。やはりレコード全盛の時代であった連載当時だからこそ、夢のある便利な道具として描くことが可能だったのだと考えられます。