YOSHIKIも必読!? 首を痛めずヘドバンする方法を現役トレーナーに聞いた

コラム

citrus 編集部

 

「我々はどこへ行けばいいのだ.....」――そんな不安の声がツイッターにあふれた。というのも、ロックバンド「X JAPAN」のリーダー・YOSHIKI(年齢非公表)が6月20日の記者会見で、ついに「ヘドバンは健康に悪い」と認めてしまったからだ。

 

ヘドバンとは「ヘッドバンキング」の略称。音楽に合わせて頭を激しく上下に振るパフォーマンスで、ハードなロックミュージックの世界では定番だ。YOSHIKIもこれまで、コンサートや音楽番組でたびたび披露してきた。ドラムで正確にビートを刻みながら頭を振りまくる姿は、おなじみだろう。

 

 

■過度のヘドバンは「脳の障害」を引き起こす

 

そんなYOSHIKIの「ヘドバンは健康に悪い」発言は、ファンをザワつかせるに十分なインパクトだった。確かにYOSHIKIは長らく、ヘドバンが原因と思われる首のケガに悩まされてきた。公式サイトによると、2009年に「激しいドラミングスタイル」が原因の「頸椎椎間孔狭窄症」と診断され、以後、8年間この病と向き合ってきた。今回の記者会見で、2017年5月の手術後はじめて公の場に姿を見せた。

 

YOSHIKIは会見中、

「ヘッドバンギングってよくないと思います。考えたほうがいいと思う。確実に健康に悪い」「ヘッドバンギングしなくても格好いい叩き方を考えていきたい」

 

とその発言に長年の苦労をしのばせた。ヘドバンは自身の代名詞だが、大きな手術を乗り越え、考えが変わったのかもしれない。

 

とはいえ、ファンならやはり、あのヘドバンが見たいだろう。一体どうすれば安全にヘドバンができるのか。今回、citrus編集部はオールアバウトの「運動と健康ガイド」で、現役トレーナーでもある西村典子さんに話を聞いた。西村さんによると、ヘドバンは首の筋肉痛にとどまらず、脳の障害をも引き起こす可能性があるという。

 

「スポーツ同様、長時間の動作で首の筋肉を酷使するため、筋肉痛などを起こすことが考えられます。また、頭を激しく振ると脳が揺さぶられるため、衝撃で頭痛やめまい、吐き気などの症状が出るかもしれません。これが長く続くと、頸椎の変性などからヘルニアを起こしたり、重傷になると脳震とうや硬膜外血腫等の脳出血を引き起こしたりするリスクも高まります」

 

■ヘドバンもウォームアップが重要

 

ちなみに、首や脳への影響は「頭の重さとその移動距離、(ヘドバンの)スピード」などで変わるとのこと。

 

「スピードをつけて大きくヘッドバンキングすると、首の筋肉により多くの負荷がかかります。頭の重さとそれを支える筋力が不足している、もしくは筋力があっても筋肉の柔軟性が低下している場合は、とくに首への負担がかかりやすいと思います」

 

では、どのようにすると、首に負担をかけずヘドバンできるのか。西村さんによると、スポーツと同じく、ウォームアップが重要だという。前後・左右・左右回旋の6方向に首をゆっくり、そして入念に動かしておけば、首の動きがスムーズになる。普段からヘドバンを繰り返す人は、首の筋肉を鍛えることもケガの予防につながるようだ。

 

最後に、ヘドバンをする際の注意点を聞いた。

 

「ヘッドバンキングの行為自体、首に負担をかけるものです。ただ、それでも行う場合はなるべく肩の力を抜き、あごを上下に動かすようにして、自然に首を振ると少しは負担が軽減されると思います。ただ、長時間行うとそれだけ首への負担も増大します。この点は十分注意してください」

 

楽器や声だけでなく、首のウォームアップも念入りに。これがロック愛と健康を両立させる秘訣かもしれない。