訪日外国人の数が激増している昨今。日本に来てレンタカーで観光する外国人も年々増加の一途をたどっている。そして、それに比例して増えているのが外国人ドライバーによる交通事故である。外国人ドライバーの交通事故事情について考えてみたい。
■筆者も警察から外国人ドライバーに間違えられた?
先日、筆者は沖縄に仕事で4年ぶりに行ってきた。もちろん移動のアシはレンタカーである。平日ということもあってレンタカーは日産NOTEで4泊5日8600円という激安ぶりである。激安といっても、ちゃんと空港には無料送迎バスが迎えに来ているし、もちろん帰りも送ってくれた。返却の際、ETCカードを車に忘れてしまったが、すぐに自宅に送ってくれた。サービスもいい。
筆者が警察から思わぬタイミングで質問を受けたのは宿泊しているホテルの駐車場でのことだった。そこから出る際、場所を間違えてスロープのない方(つまり歩道との段差がある方)から出ようとしていたところ……ふと気づくと、パトカーがすぐ近くにいた。そして警察官がパトカーから降りてきて開口一番こういったのである。
「Are you Japanese?」
そして思わず「Yes」と答えてしまった私……。英語で聞かれたから素直に英語で答えたわけだが。
警官は「日本人でしたか。最近、外国人ドライバーの事故が多いので、気を付けてくださいね」とだけ言って去って行った。私が変な場所から車を出そうとしていたので、「日本の道路に不慣れな外国人レンタカー利用者だ!」と思われたらしい。
■外国人運転のレンタカー急増で、政府が事故防止対策に着手
確かに沖縄では那覇市内はもちろん万座毛でもハクソーリッジでもレンタカーで訪れている多くの外国人に遭遇した。増えているのは沖縄だけではない。日本を訪れる外国人とレンタカー利用者の相関関係は以下の通り。
訪日外国人数 外国人のレンタカー利用者数
2011年 621万人 17万9000人
2012年 835万人 26万7000人
2013年 1036万人 34万5000人
2014年 1341万人 50万1000人
2015年 1973万人 70万5000人
2016年 2403万人 90~100万人(推定)
訪日外国人もすごいが、レンタカー利用者も2011年~2015年の5年間に約4倍という凄まじい増え方をしている。これに伴って外国人レンタカー利用者による交通事故も増えており死傷事故も14年の28件が16年に81件と、2年間で約3倍も増えた。また、特に外国人のレンタカー利用が多い沖縄県では2014 年→2901件、2015年→5073件、2016年→9648件と、わずか3年間で交通事故の発生数が約3倍に増えている(とはいっても、沖縄の場合軽微な物損事故が大半で死亡事故はゼロとのことではある)。
■実際、ほとんどが右側通行の国から来ている
なぜ、外国人ドライバーの事故が多いのか? その答えはもう誰もが分かっている。日本は左側通行の国であり、一般的なレンタカーは100%右ハンドルだからだ。そして訪日外国人の多くは、中国や韓国など右側通行の国から来ている。外国人だからといってレンタカーのための運転教習があるわけではなく、(注意や警告はしているようだが)日本人と同じく書類上の手続きだけで車を貸している。右ハンドルしか運転したことがないあなたがアメリカに行っていきなり、左ハンドル車のレンタカーを借り、何の練習もなく右側通行の道路を走れと言われたらどうだろうか?よほど運転に自信があるドライバーを除いては尻込みしてしまうのがフツーの感覚だろう。
■中国で発行された国際免許証では、日本での運転は本来、できないはずだが…
そもそも、本来は日本で運転できないはずの国の観光客がレンタカーで走りまくっていること自体、おかしな話である。日本で運転できる外国人はジュネーブ条約を批准している国で発行された国際免許証を所持していることが絶対条件。逆もそうで、日本人が日本で発行された国際免許証で運転できる国もジュネーブ条約で定められている国だけだ。つまり、日本人は中国で運転できないし、中国人も日本で運転はできない。
それなのに中国からの観光客が日本で運転できているのは、ジュネーブ条約に加盟している国で発行された免許証を、何らかの方法で入手しているからなのか。もしかすると、そもそも中国での運転免許証すら持っていない可能性がある!怖すぎる……。まあ、日本人の私たちができることは、このようなステッカーを貼ってある車には近寄らないこと位だろうか?
※情報は2018年1月4日時点のものです