「とっても訳しきれない味」がキャッチコピー!『メローイエロー』ってどんな味?

コラム

久須美 雅士

■80年代に一世を風靡した『新・柑橘系飲料』

 

メローイエロー(表面&裏面・1991年)

 

1980年代に少年時代を過ごした方々にとって、コカ・コーラの『メローイエロー』は記憶に残る炭酸飲料だと思います。

 

この炭酸飲料は1983年に日本で発売されました。当時、果汁フレーバーの炭酸飲料というと同社の『ファンタ』が一般的ですが、ファンタが無果汁であるのに対し、メローイエローは果汁入りというのが大きな違いです。

 

宣伝には当時の人気テレビ番組『欽ドン!良い子悪い子普通の子』で人気の出た松居直美さんが出演し、キャッチコピーは「とっても訳しきれない味」でした。

 

メローイエロー(左:1995年、右:2011年)

 

1995年にストリート系飲料として復活し、その後も時々復刻版が発売されるなど、人気のある炭酸飲料でした。

 

 

■実は『マウンテンデュー』の競合製品

 

アメリカ版メローイエローとマウンテンデュー(左:1997年、右:2000年)

 

メローイエローは日本のみで販売された商品ではなく、1979年にアメリカで発売されたグローバルブランドの商品です。実は、ペプシ『マウンテンデュー』の販売シェアを切り崩すために発売された商品だったのです。そのため、写真にあるとおり、パッケージもマウンテンデューに類似したデザインになっています。

 

このように、コカ・コーラが他社の人気商品の『二匹目のドジョウ』を狙った商品を発売することは多く、セブンアップに対するスプライト、ドクターペッパーに対するミスターピブなど、後発の競合商品は多く存在します。

 

 

■レアな姉妹品『メローレッド』

 

メローレッド(1987年、三笠コカ・コーラボトリング)

 

メローイエローは全国発売され、誰もが知っている炭酸飲料ですが、1980年代中期に地域限定で『メローレッド』が発売されました。私は空き缶を持っているだけで飲んだことは無いのですが、アメリカ版wikipediaによりますと、メローイエロー初のフレーバーバリエーションであり、ミックスフルーツフレーバーだったとのことです。