日ごとに朝晩の冷え込みを感じる季節、風邪をひく人も増えてきたのではないでしょうか。SNSでは「風邪を治す薬はない」というツイートが話題になっていますが、果たして本当なのでしょうか? 医師の清水なほみ先生にお話をうかがいました。
そもそも風邪はウイルス感染によるのどや鼻腔内の炎症が起きて鼻水や咳などの症状が出るものなので、抗生物質は不要です。抗生物質はウイルスには効果がなく、細菌感染に対して使用するものです。
いわゆる「風邪薬」も、症状を抑える「対症療法」で、のどの痛みを抑える・タンを出しやすくする・鼻水が作られるのを抑える・咳を抑える・熱を下げる、など症状を軽くするだけです。ウイルスの活動を抑える成分は入っていないので、厳密な意味で風邪を治療する薬ではありません。
さらに清水先生によれば、そもそも薬が必要ない程度の「軽いウイルス感染」が風邪と定義されているので、風邪に治療は必要ないとのこと。ツラいときは点滴に行くという人もいるかもしれませんが、
病院で行っている点滴の主な目的は水分補給でせいぜいビタミン剤が入っている程度なので、風邪を治す働きはありません。
…という衝撃のお言葉も。ちなみに「先生は、風邪をひいたときどうしていますか?」と聞いてみたところ、
自分が風邪症状が出始めた時は葛根湯を倍量投与と、ビタミンCのサプリメント摂取で悪化を防いでいます。休養が最もよく効くのは知っていますが、休養ができないときも多いので…
風邪は、「安静(休養)」「保温」「消化の良いもので栄養補給」「水分補給」を行うだけで特別な治療は不要とのこと。風邪っぽいなと思ったら無理をせず、ゆっくり休養することがなによりの治療方法ということですね。