要介護になる最大の原因は"ロコモ"であり、ある調査では、20~30代女性の30%に「ロコモが始まっている」という結果が出ていることなども話題になっています。そんなロコモについて、脳神経外科医で、抗加齢医学専門医でもある菅原道仁先生にお話をうかがいました。
ロコモティブ症候群(通称ロコモ)とは、筋肉や骨などの運動器の衰えによって、「立つ」「歩く」機能が低下し、歩行困難や寝たきりなど要介護になるリスクが高まる状態のこと。日本整形外科学会が提唱している新しい概念です。やはり、ロコモは他人事ではないのでしょうか…?
日本人の平均寿命は、平成25年の簡易生命表によると、男性は約80歳、女性は86歳であり、世界有数の長寿国として有名です。
一方で、健康寿命という統計データがあります。これは、介護を必要とせず、自立した生活を送ることが出来る期間のデータです。平成25年のデータですと、健康寿命は男性で71歳、女性で74歳であり、平均寿命とくらべて9年~12年ほど差があることがわかります。
すなわち私達は、老後の約10年ほどは、誰かの介護なしでは生活できない状態になってしまう未来が待っているということになります。
この、介護が必要な状態になる原因で一番多いのが、骨・関節・筋肉の衰え。将来、ピンピンと自立した高齢者を目指すのであれば、「ロコモ」対策は今からやっておくべきでしょう。
ロコモの予防法としては、やはり運動するしかないのでしょうか?
現代社会は便利になった反面、自らの肉体を使う機会が減ってきています。そのため、肉体の衰えが目立つ人達が増えているのです。これを防ぐためには、やはり運動が必要です。
とはいえ、毎日キツイ運動をする必要はありません。例えばエスカレーター、エレベーターを使わない、一つ前のバス停で降りる、少し遠いコンビニへ行くなど、ときどき「不便な生活」をあえて取り入れて、身体を動かすことを積極的に行っていきましょう。
健康に長生きするためにはやはり身体を動かすことは必須。いつまでも自分の足で歩くために運動習慣を取り入れたいですね。