小学館が発行する国語辞典『大辞泉』が昨年、新語大賞を発表しました。大賞に選ばれたのは「空白恐怖症」という言葉。意味は、
「自分の仕事がないときに、あたかも仕事をしているように見せるためにダミーの予定やフェイクの予定を入れるほど、自分の予定が空白な事を恐れること。」
とされています。
この暇を恐れる「空白恐怖症」とはどのような人がなりやすいのでしょうか。メンタルケア・コンサルタントで、ストレスやメンタルコントロールに詳しい大美賀直子さんにお話をお聞きしました。
空白症候群は、依頼される仕事の数が収入やポジションの維持に直結する人がなりやすいものと考えられます。とくに、フリーランスや経営者、専門職の方には心当たりのある方が多いのではないでしょうか。
一方、いったん仕事の空白があっても、家族やパートナーの援助を受けられ、十分な収入が見込める場合には、さほど深刻な心境にはならないものと思います。
中でも特に「空白恐怖症」の危険度が高い人について大美賀さんは、
一人で生計を立てている方や家族を養っている方は、仕事の空白が家計の危機に直結するため、空白症候群から本格的な心の病に発展する危険もあると考えられます。
と述べています。この「空白恐怖症」、予防法はあるのでしょうか?
予防法としては、仕事の多い時期に大船に乗った気持ちで財布の紐を緩めないこと。仕事には浮き沈みがありますから、仕事が空白になることも考えて貯金をしておくことです。また、仕事が空白になったときには、あせらないこと。
仕事のチャンスをもらえるようにこまめにアピールしていくことです。そして、「なんとかなるさ」の楽観性を発揮することも大切です。
仕事の予定がびっしりでも油断せず、逆に予定が少ないときでも必要以上に焦らないこと。そもそも予定なんて一定ではないものだと大きく構えて過ごせるといいですね。