「お祝いのお返しに緑茶はNG。紅茶はOK」というテレビ放送に対して老舗茶屋が反論。古くから、お祝いのお返しとして緑茶が使われてきた理由とともに、お祝い返しとして緑茶はふさわしいと投稿したことが話題になっています。そこで、マナースクール「ライビウム」代表の諏内えみさんに質問してみました。
お祝い返しのマナーとして緑茶を贈ることは、まったく問題ありません。
緑茶は縁起のよいものとして、昔からお祝い事やお返しによく使われており、私自身もいただくことやお贈りすることが多々あります。
こうしてテレビやSNSで反論が出たり話題になることで、改めて緑茶の素晴らしさや昔から皆様から愛されていることを確認していただける機会となればよろしいですね。
お祝い返しで特に気を付けたいのは金額だという諏内さん。いただいたものより多い金額をお返ししては、お祝いの意味がなくなってしまいますし、特に目上の方には失礼になるそうです。その他、昔はタブーとされていたが現在では贈る方も多くなっているものもあります。
例えば、結婚祝いに“割れる”ガラスや、“2つに割り切れる”ペアの品物。引っ越しや新築祝いに“火事を連想させる”調理器具、暖房器具などがあります。
では、最低限おさえておかなければならないマナーは…
目上の方に万年筆など文具を差し上げるのは、「もっと勤勉に」「仕事しなさい」という意味となり失礼にあたります。室内履きや靴など、足で踏みつけるモノもNGです。
入院やお見舞いの品として「9・苦」や「4・死」を連想させる櫛などは避けましょう。ハンカチも漢字で書くと「手巾」と書き「てぎれ」と読むので注意が必要です。
何れにせよ、受け取った方が不快に感じないものを贈ることが大切です。
…など、基本マナーは多数存在するので、送ったら失礼になるかどうかを気にすると迷ってしまいがちです。
贈っていいものかどうか迷ったときや、たとえば地方によってはマナー違反の説があるような物については、「もしかしたら相手が気にするかもしれない」ということを心に留めておくことは必要です。
そのうえで、相手を思って選んだ理由や贈りたい理由を添えれば、気遣いを感じられ、気持ちよく受け取ってもらえるはずです。
ちなみに、諏内さんご自身は、迷ったときにどうしているのでしょうか。
無難なのはお菓子ですね。その際も、贈る相手に合わせて選びたいところです。
ご家庭に贈るのであれば、お子さんの有無、ドクターストップのある食物があるか、少人数であれば賞味期限がある程度長めのものを。
会社であれば、個別包装されているもの、冷蔵庫保存でなくてもよいもの、など相手の負担にならないよう考えて選ぶようにしたいですね。
物を贈るときは、相手への気遣いや思いやりを届ける、そんな気持ちで選ぶと失敗せずに済みそうです。