失敗した時の“唯一の砦”…緊急避妊薬「アフターピル」のオンライン診療が解禁へ!

コラム

citrus 編集部

 

「昨日は一応安全日だったけど、コンドームが破れちゃって…。次の生理が来るまで心配(泣)」

 

通勤途中、朝から暗い顔をしながら仲の良い女友達にLINEで相談をするアラサーのM美。結婚を意識する彼とは付き合って半年だが、フリーランスで働く彼の不安定な収入に結婚を決めかねているのも事実。今、子供が出来てしまったら困るのは自分だ。そんな思いを抱えながら、M美はただただ生理が無事に来ることを祈るだけだった。

 

 

 

72時間以内に服用すれば約85%の確率で妊娠を防ぐことができる薬、アフターピル。この存在を知っている日本人女性は、他の先進国に比べると圧倒的に少ない。「知らないのは愚か、知らせないのは罪」。先進国ではこう言われている緊急避妊薬アフターピルが、今、日本で新たな局面を迎えている。

 

 

■ハードルの高いアフターピル

 

日本人にはまだなじみの少ないアフターピル、一体どのようなものなのでしょうか? 医師の山本佳奈先生に伺いました。

 

「アフターピルは、性行為後であっても妊娠を防ぐことができる薬です。避妊に失敗した時には唯一の砦となる方法。72時間以内に内服すれば、約85%の確率で妊娠を防ぐことができます」

 

 

アメリカでは、処方箋がなくてもドラッグストアで購入できるアフターピル。一方、日本ではいまだ入手するハードルが高く、そのせいで浸透が遅れているとも言われています。

 

「現状では病院を受診して処方してもらわないと、アフターピルは手に入りません。性のトラブルで病院へ行きにくいと考える若い女性は多く、特に一番必要としている10代の女性にとって心理的ハードルが高いのが問題です。

 

また、休日は病院が空いておらず、休日明けの平日に受診した場合、効果が得られる72時間を過ぎてしまっていた、というケースも多々あります」

 

■圧倒的な「賛成多数」なのに議論は先送り

 

こうした状況を受けて2017年、厚生労働省でOTC(over-the-counter/医師の処方が不要)化が一度議論に上がりました。しかし、一般公募で賛成320件、反対28件と賛成意見が圧倒的に多かったにも関わらず見送られてしまったのです。

 

 

 

その理由として挙げられたのが「安易に販売されると悪用や濫用の懸念がある」「避妊具の使用が減り、性感染症のリスクが増大する」「仮に効かなかった時の責任の所在」など……。女性の気持ちに寄り沿わない決断を下したまま、日本の医療現場の遅れが浮き彫りとなりました。

 

 

■病院へ行かずスマホでOK! オンライン診療が解禁へ

 

アフターピルの効果については、避妊失敗があってから服用するまでの時間が短ければ短いほど高まると言われています。なるべく早く入手して服用することに意味がある、という薬の特性を受け、厚生労働省は病院で受診しなくてもオンラインで診療して処方箋を出すことができる“オンライン診療”を検討。ついに今年になって、アフターピルのオンライン診療が解禁されることとなりました。

 

 

オンライン診療とは、スマホやPC、タブレットからビデオチャットを通して、医師から診察、処方を受ける仕組み。やむを得ない事情でクリニックに辿り着けない女性にとっては、オンライン診療は現状、唯一の救いになると期待されています。

 

 

 

ただ、「近い産婦人科を紹介し、3週間後の産婦人科受診の約束を取り付ける」「犯罪被害を受けた可能性がある場合は最寄りの警察署への相談を促す」「未成年の場合は、児童相談所に通報する」など、まだまだ制約は多く、問題は山積み。

 

「確かに大きな一歩ではありますが、全ての女性がアクセスできる環境になるとは言えません。アフターピルは海外では薬局で手に入れることができる薬ですから、オンライン診療解禁は道半ばだと思います。

 

それに、アフターピルを服用した後、再度アフターピルを服用される方も少なくありません。アフターピルのオンライン診療解禁と同時に、低用量ピルなど女性主体の避妊方法、そして性感染症予防などの知識も一緒に伝えていくべきだと思います」

もしもの時のために、“かかりつけ”オンライン診療サイトを探してみてはいかがでしょうか。女性向けネット診察サービス「スマルナ」は、24時間診療が可能。アフターピルはもちろん避妊用ピルなども処方していて、最短で翌日に自宅へお届けします。LINEによる無料相談窓口もあるので、まずは一度相談してみるのもおすすめです。