性的少数者 (セクシャルマイノリティ) を表す言葉の一つ「LGBT」は、日本でも徐々に浸透してきました。一方でまだ彼らの性的指向や性自認について、正しく理解できている人は多くないでしょうし、差別的発言なども後を絶ちません。カミングアウトをできている当事者は3割に満たないというデータもあります。
今回SNSで話題になっているのは、「LGBT研修が、かえって悪影響を与えてる」のではないかという当事者による投稿です。
実際の投稿がこちら。太悟(@daigoalex)さんは、実際に男性同士の結婚を式場に断られてしまったカップルの事実を知り、式場側に問い合わせています。そこで分かった式場側が断った理由としては、
LGBT研修を受けた結果、まだまだ会社側の当時者への配慮が整っておらず、受け入れた結果、嫌な思いをさせてしまうのではないか?という考えのもと、同性同士の式はまだ受け入れられないという判断を今までしていた
式を挙げる二人だけでなく、ゲストにもLGBTの人々が参列したとき、トイレの問題やどんな配慮やサービスが必要なのかについて検討しきれていない状態だったのだとか。ちなみに太悟(@daigoalex)さん自身は、結婚式を断られた経験はなく、どの式場も快く受け入れてくれたといいます。
LGBT講習など受けていなかったし、講習の誘い自体を断っていました。理由は「”LGBT”という理由で特別なことは必要ない。一人一人が特別なお客様です」と言われた
とのこと。太悟(@daigoalex)さんは一連の経験を振り返り、こう続けています。
「LGBTに特別な知識もなく、勉強も必要ない」という考えの式場は、あっさりと受け入れる。 逆に、LGBT講習を何度も受けた会社は、結果的に「配慮不足」「知識不足」だと、自社の取り組みを恥じ、受け入れ拒否という選択をとってしまう。
責任者と話をしたけど、この(断られた)式場が悪いとは全く思わない
むしろ、僕が式を挙げたホテルや、見学にいったどこのスタッフよりも、LGBTについて考え、勉強していた。自らの無知から当事者を傷つけるかもしれないという凄く優しい思いを感じました。 そして、「それらは全て間違いです」とはっきり伝えました。
「ふつうのカップルと違うから」「なにか特別な配慮をしなくては」「完ぺきな知識を持っていなくては」などという間違ったサービス精神が、むしろ逆効果になってしまった例として、LGBTの当事者が声をあげた今回の例。
「特別な配慮をされること自体が差別的です」
「”LGBTだから”という理由で何か考えること自体をやめたほうが良い」
LGBTについて、たとえ十分な知識を持っていなくても大丈夫。みんなと同じように、特別な扱いは必要ないということを教えてもらえました。ちなみに、今回、LGBTカップルの結婚式を断った式場で、今後は同性婚をあげられるようになったとのことです。