マルちゃんの「赤いきつね」は、実は「○○いきつね」で発売予定だった?!【知られざるカップ麺トリビア】

コラム

後藤拓也

画像はイメージです

 

■最初は「熱いきつね」として売り出される予定だった!?

 

1953年に創業して以降、長らく水産物を取り扱ってきた東洋水産は、そのノウハウを活用して、自社で出汁を加工した「カップきつねうどん」を1975年に発売しました。

 

業界初のカップ入り即席うどんだったことや、販売された当時は和風カップ麺が物珍しかったこともあり、「カップきつねうどん」が人気を獲得すると、競合他社もカップうどんの開発に着手するようになります。

 

ライバルとの争いに打ち勝つため、「カップきつねうどん」のリニューアルを決めた東洋水産は、新商品の名前を「熱いきつねうどん」とする予定でした。しかし、売り場に並べられたときに目立つ、赤い色を基調とした新たなパッケージデザインの採用が決まると、それにあわせて、より印象的な響きを持つ「赤いきつね」に商品名が変更されたのだとか。

 

結果的にはこれが大成功だったようで、1978年に登場した「赤いきつね」はたちまち大人気商品となり、定番ブランドへと育っていくこととなりました。

 

 

■「緑のたぬき」の方が歴史は古い!?
 

「赤いきつね」登場の2年後、1980年には「緑のたぬき」が新発売されます。“赤”の好評を受け、後追いで開発されたようにも思える“緑”ですが、実はそのルーツとなる商品が、それ以前に生み出されていました。

 

緑色のパッケージにたぬきが描かれた「たぬきそば」は、1963年に発売された業界初の和風タイプ袋麺。これが、1970年には「マルちゃん 天ぷらそば」、1975年には「カップ天ぷらそば」として、それぞれリニューアルされていました。

 

つまり、「赤いきつね」以前より販売されていた即席麺のシリーズを、「赤いきつね」の大ヒットにあわせてネーミングやデザインを変えるという形で「緑のたぬき」が誕生したのですね。ちなみにイメージカラーとして、ルーツである「たぬきそば」と同じ“緑”が選ばれたのは、赤と補色関係であるのが理由なのだとか。

 

 

■「緑のたぬき」は“たぬき”と言えない!?

 

最後に、「たぬきそば」にまつわる小ネタをご紹介しましょう。関東が発祥だという「たぬきそば」には、名前の由来とされている説がいくつかありますが、なかでも有力なのが、“種抜き”がなまって“たぬき”になったというもの。

 

つまり、天ぷらの種(中身)を抜いた衣、天かすを乗せたものが「たぬきそば」だというのです……が、ここでひとつ疑問が。「緑のたぬき」の天ぷらには、小エビがたくさん入っていたような……?

 

もちろんメーカー側も、これでは正式な“たぬき”とは言えないということをわかっていたようです。しかし「赤いきつね」との兼ね合いもあり、最終的には、商品名を「緑のたぬき」に決めたそうですよ。