男たちを惹きつけるガッツリ系ラーメンの元祖といえば、首都圏を中心に約40店舗を構える『ラーメン二郎』。
何を隠そう、筆者も二郎に魅了され、全店舗を毎年最低1回は巡礼している“ジロリアン”の一人だ。
そんな筆者が今年、10月に入るまで一度も訪れていなかったのが『目黒店』(東京都目黒区)である。目黒店は一時期、営業時間が日によって変則的になっており、SNSで情報収集しておかないと店の前で絶望する恐れがあったのだが、10月からは昼の部が12~15時、夜の部が18~23時(水曜定休)で固定されたらしい。次の用事まで中途半端な空き時間ができてしまったある日の夕方、久々に食べに行くことにした。
■10月某日:筆者の注文メニュー「小ラーメン 豚入り」
17時半前に目黒店に到着するも、オープンを待つ客はまだ誰もいない。さすがに早すぎたようだ。近くのコンビニで少し時間を潰してから戻ると一人だけ増えていたので、その後ろに接続する。
そこから見る見るうちに行列が伸びていき、18時を迎えた頃には、もう30人近く並んでいそうだった。しかし店員さんが出てきて店を開けたのは、定刻の約10分後。「このマイペースっぷりが二郎だなぁ」と感じたが、これが真夏や真冬、あるいは荒天の日だったら、筆者みたいに飼い慣らされたジロリアンといえども、不機嫌になっていたかもしれない。
順々に店内に入り、まずは食券を購入。目黒店は二郎全店舗のなかでも一番リーズナブルな価格設定で、ノーマルの「小ラーメン」は500円、最も贅沢な「大ラーメン W豚入り」でさえも800円だ。それは消費税が8%から10%に上がった、この令和元年10月においても変わらない。すごい、すごすぎるぞ目黒店。
この日、筆者が注文したのは600円の「小ラーメン 豚入り」で、無料トッピングは「ヤサイ少なめ、アブラ」でお願いした。写真を撮ると、スープの表面に油膜が光っており、これから食べる1杯への期待が高まる。さぁ、実食だ。
いい意味でボソッとした太麺は、小麦粉の風味がたまらない。値段が値段なので、目黒店は他の二郎より量が少なめなんて話を聞くが、この太麺には確かな食べごたえがあり、ボリューム不足な印象は皆無。
一方、+100円で増量した豚は、二郎にしては薄切りだった。肉塊にかぶりつく快感はないものの、これはこれで食べやすいし、結構な枚数がある。W豚入りにしたら、いったいどれだけ大量の豚がトッピングされるのだろうか。
――左隣に座る客(筆者より前に並んでいた先頭の客)は、スープを飲み干したあとの丼を写真に収めるほどの余裕を見せていたが、筆者は最後にスープを一口だけ味わってから退店。
振り返れば、筆者が二郎でKK(=完飲完食)したことは、両手で数えられるくらいしかないように思う。目黒店でも一度だけKKした記憶があるが、あれは何年前だっただろうか。昔に比べると、脂っこい食べ物への耐性が、年々落ちてきている感は否めない。ああ、自分はいつまで二郎巡りを続けられるのだろう(※まだ20代だが)。
※本記事の情報は2019年10月下旬時点のものです。