【雑学】ぽち袋の「ぽち」って何?知られざるお年玉袋の名前の由来

コラム

citrus 編集部

 

お正月といえば初詣やおせちなど、さまざまなイベントがありますが、なかでも子どもたちが楽しみにしているのがお年玉。大人の方々は、そのために「ぽち袋」を用意します。

 

近年ではかわいい柄のついたものや、人気のキャラクターが描かれたものも人気のようです。ところで、ぽち袋の「ぽち」とはどういう意味かご存知でしょうか。

 

 

■「ぽち」は関西弁に由来している

 

ぽち袋は、関西から全国に広まったもの。「少しだけ」の意味をもつ、古い関西弁の「ぽちっと」という言葉が由来だと言われています。

 

そこから転じて京都弁では「これっぽっちですが・・・」という謙虚な気持ちを表す、心づけや祝儀という意味も持つようになりました。客がお店の人への感謝の気持ちを込めて、僅かなお金(小銭)をいれる袋であったことから「ぽち袋」と呼ばれるようになったそうです。

 

 

■ぽち袋が生まれたのは明治時代

 

ぽち袋は明治時代ごろ、芸妓さんたちへの祝儀(海外の「チップ」にあたる)として小銭を渡す際に使われていました。「お金をむき出しのまま渡すのは失礼だ」という日本人の心遣いから、もともとは半紙などに包んで渡していました。

 

しかし小銭であったためにこぼれやすく、紙の端を糊で留めるようになり、それが現在の袋のかたちへ変化していったようです。

 

今でこそ、ぽち袋の柄は機械によって印刷されていますが、当初は多色刷りの浮世絵である「錦絵」の技術を生かした木版刷りのものが多かったそうです。京都の錦絵の版元が、明治時代に入って売り上げの落ち込んだ錦絵に代わる新たな収入源として、ぽち袋を売り出したからです。

 

そのため当時のぽち袋はまるで浮世絵のような、粋な図柄が多く見受けられました。昭和に入ってお年玉袋として一般的になるにつれて、現在のようなと子ども向けの柄が主流となりました。