■『タクシードライバー』:アカデミー助演女優賞にノミネートされた衝撃の問題作
3歳よりコマーシャルに出演するなど、幼少期よりそのキャリアを開花させてきたジョディ。そんな彼女の名を世に知らしめたのが、1976年公開の衝撃のクライム映画『タクシードライバー』だ。
ニューヨークの小さなタクシー会社で運転手として働き、うだつの上がらない日々を送っている男・トラヴィス。鬱屈した日々のなかで彼の心には、社会の理不尽な暴力や犯罪に対する、狂気にも近い怒りが溜まっていく。やがて幼い売春婦のアイリスと出会ったことで、彼のタガは一気に外れていき……というのがあらすじ。
狂気の自警行動を起こす本作の主人公は、名優ロバート・デ・ニーロ。彼は抑圧された社会が生み出す狂気を見事に演じきり、高い評価を得た。同時に、彼の行動に大きな影響をもたらす、可憐で大人びた危うい色気を持つ売春婦・アイリスを演じたジョディは、本作でアカデミー助演女優賞にノミネートを果たした。驚くことに彼女、このときはまだ13歳である。
■『羊たちの沈黙』:映画史に残る悪役“レクター博士”の運命の相手を熱演!!
次は、アカデミー主要5部門を総なめにした、映画史に残る傑作サスペンスホラー『羊たちの沈黙』だ。本作でジョディは、狂気渦巻く事件を、恐怖を押さえ込みながら必死に解決していこうと奔走する主人公の新米FBI捜査官を熱演した。
本作では、若い女性を狙った連続猟奇殺人事件が発生。そこでFBI訓練生のクラリス・スターリングが、先輩捜査官に代わり、収監中の伝説の連続殺人犯の精神科医ハンニバル・レクター博士に、事件に関する助言を求めにいくというストーリーだ。
トマス・ハリスの同名小説シリーズの実写映画版である本作。ジョディは悪のカリスマ・レクター博士と、立場と年齢を超えた、ライバルとも恋人ともつかない因縁を積み上げていく。気高さと儚さを両立させた迫真の名演技で、彼女はアカデミー主演女優賞を受賞することになった。
■『パニックルーム』:強盗に入られた家に潜むことになった親娘の緊迫の数時間
最後は、『セブン』などの鬼才デヴィッド・フィンチャーが2002年に監督したサスペンス映画『パニックルーム』だ。
11歳の娘サラを持つシングルマザーのメグは、死去した富豪が住んでいたというニューヨークの豪邸に引っ越してくる。しかし時を同じくして、富豪が持っていた隠し財産を狙う強盗の一味が家に侵入。据付の緊急避難部屋“パニックルーム”に逃げ込んだ二人だったが、肝心の隠し財産がその部屋にあることに気づいてしまい……というストーリー。
恐怖を感じつつも、母親として必死に家族を守ろうとする強さと危うさに満ちた演技は、まさにジョディの真骨頂! 強盗団との息づまる攻防も見どころだし、娘役として三代目『チャーリーズ・エンジェル』を演じる女優クリステン・スチュワートが出演しているのも、見逃せないポイントだ。