屈強な肉体、アツい演技、プロデュース力… “シルヴェスター・スタローン”出演のおすすめ映画3選

コラム

TND幽介

 

■『ロッキー』:スタローンの代名詞!! 観る者の心をつかむ感動のボクシング映画

 

彼のキャリアにおいて、その名を一躍世に知らしめ、かつ作品的にも熱狂的に受け入れられたのが、この熱血ボクシング映画『ロッキー』だ。スピンオフを含めると、現在までで8作もの続編が作られている。

 

1975年のフィラデルフィアで、用心棒をしながら日銭を稼いでいた三流ボクサーのロッキー・バルボア。近所で働く女性エイドリアンを心の支えにしながら暮らす日々は、世界チャンピオンのアポロ・クリードによる「全くの無名選手と戦うというのはどうだ?」という一言から、大きく動き出してゆく……というストーリー。

 

低予算の映画ながら、脚本と主演を務めたスタローン。それまで、売れない極貧下積み時代を歩んできた彼は、本作の大ヒット、そして当時のアカデミー賞で作品賞を含む3冠に輝くという異例の快挙で、一気にスターに成り上がる。その様は、まさに劇中のロッキーそのものだ。

 

 

■『ランボー』:ベトナム帰還兵の孤独な戦いに涙する不朽の名作アクション映画

 

スタローンを語るうえで外せない代表作の二つ目が、この『ランボー』だ。80年代中頃には続編も公開され、“筋肉アクション”のアイコンにもなったランボーだが、一作目は超シリアス。戦争の悲哀に満ちた、泣ける傑作なのだ。

 

ベトナム帰還兵のジョン・ランボーは、戦友を訪ねて、とある山間の田舎町を訪れる。しかし、親友はすでに亡くなっていた。失意のランボーの心を追い詰めるように、厄介な流れ者をいたぶろうと、町の保安官たちが彼を狙い始める……というのがあらすじ。

 

映画史に残るほどの、胸に迫るラストシーンが有名な本作。二作目、三作目といわゆる“筋肉アクション”化してゆくのだが、後年、同世代の筋肉俳優を集結させ、自身がプロデュースも務めた映画『エクスペンダブルズ』で、そんな時代を愛したファンにもしっかりラブレターを送るあたりに、スタローンの粋なサービス精神がうかがえる。

 

 

■『オーバー・ザ・トップ』:『ロッキー』の影に隠れた、もう一つの傑作熱血映画!!

 

最後に選びたいのは、87年公開の『オーバー・ザ・トップ』だ。自身で脚本も務めている本作は、いわば“親子版ロッキー”。実は本作、スタローンがゴールデンラズベリー賞(いわゆるダメ映画賞)の最低主演男優賞にノミネートされてしまっているのだが、筆者的には一見の価値ある“男泣き映画”だと思っている。

 

義父との確執から10年前に家族のもとを離れ、長距離トラック運転手としてしがない日々を送っていた男・ホーク。病床の妻の要請で、彼女のもとに陸軍幼年学校を卒業した息子を送り届けることになった彼は、父を恨む息子と、長い旅路を通して心を深めていく……。

 

中盤のある悲劇によって親子の絆は崩れかけるのだが、ホークは唯一の財産であったトラックまで売り払い、日銭を稼ぐ賭け事として腕を磨いていたアームレスリングの世界大会に出場し、その絆を取り戻そうとする。そんなホークの不器用極まりない父親像には、思わず涙がこぼれてしまうはずだ。