■ハイチュウの誕生
ハイチュウが生まれたのは、1975年のことです。それまでの看板製品だった「ミルクキャラメル」の技術を転用し、何か新しく作れないかと開発を開始。さまざまな試行錯誤の結果、固いキャンディーでもない、かといってキャラメルとも違う、ガムとキャンディーの中間的な食感という画期的な「ソフトキャンディー」が誕生したのだとか。
また、当時は物珍しかったフルーツ味をつけたことでも話題に。斬新な食感も合わさって、一躍人気商品となりました。ちなみに、高度経済成長期の高級品の多くが「ハイ」で始まる名前だったことから、噛むを意味する「チューイング」を掛け合わせて、ハイチュウという商品名になったそうですよ。
■日本人メジャーリーガーが人気の火づけ役に!?
ハワイで日本人観光客向けに販売していた商品が、ハワイに住む人々の間でも評判となったことから、2008年より、アメリカでも本格的に売られ始めるようになったというハイチュウ。現地スーパーマーケットなどの、アジア製品を扱うコーナーでは一定の成果を上げていたそうですが、全体的な売り上げでは苦戦。お菓子としてなかなか浸透せず、キャンディーのコーナーではなく、醤油の横に置かれていたことさえあったといいます。
そんなハイチュウがアメリカでヒットするきっかけとなったのは、レッドソックスなどで活躍していたメジャーリーガー・田澤純一選手でした。メジャーには、ブルペンにいる一番新人の選手が飲み物や軽食を用意したり、テーピングやガムを入れたブルペンバッグを準備したりする習慣があるそうで、まだ若手だった田澤選手もこれを担当。その際、何の気なしにハイチュウを持って行ったところ、ガムの代わりに口にした同僚選手たちから、「また置いてほしい」と強くリクエストされるほどの好評を得たそうです。
■ついに人気商品の仲間入り!
田澤選手はその後、遠征先のアジア系スーパーなどでまとめてハイチュウを仕入れていたものの、それでも追いつかないほど人気になってしまったそうで、2012年頃には、森永アメリカに箱買いを頼み込んだのだとか。
メジャーリーガーたちの間で爆発的な広まりを見せていたこともあって、森永アメリカはメジャー球団と契約を結び、商品提供したり、球場でサンプリングを行ったりしていたそう。こうした宣伝の甲斐もあり、一気に知名度を上げたハイチュウは、アメリカの大手スーパーマーケットやコンビニ、駅の売店にも並べられるまでの人気商品となったそうです。