『シンエヴァ』公開に備えよ。昨夏に先行公開された“冒頭10分40秒”を1分読了考察

コラム

citrus レッド・ジャガー

 

■冒頭10分40秒のあらすじ

 

シンエヴァ冒頭映像では、真紅に染まったフランス・パリを舞台に、WILLE(ヴィレ)とNERV(ネルフ)の戦いが描かれた。

 

旧NERVのユーロ支部復旧を試みるWILLEメンバーと、エヴァンゲリオン8号機βでNERVのエヴァと対峙する真希波・マリ・イラストリアスの戦いが並行して進行。最後は、エッフェル塔を武器にしたマリの攻撃でNERVのエヴァは壊滅し、WILLEの作戦は成功を収めた。

 

WILLEによるエヴァの予備パーツと武器弾薬の補給が開始されるなか、碇シンジ捜索の決意を口にするマリのセリフと横顔のアップで、映像は幕を閉じる。

 

 

■異国の地で繰り広げられる謎の敵との戦い

 

公開された冒頭映像でまず印象に残るのは、パリという実在の都市で戦いが繰り広げられていることだ。これまで『エヴァ』では、日本国外が舞台となることは極めて稀だったため、新鮮な驚きが感じられる。

 

そして敵として登場した、群体を構成している新型のエヴァの存在も気になるところ。劇中で“使徒もどき”といわれているように、そのビジュアルには『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』に登場した第4の使徒との共通項が見受けられる。新型エヴァと使徒はどのような関係にあるのか、考えを巡らせるのも楽しいかもしれない。

 

 

■本筋には無関係な小ネタにも注目

 

開幕から歌謡曲を口ずさむなど、相も変わらずマイペースな言動を見せていたマリ。特に興味深かったのは、仲間に向けて放った「操演よろぴく」というセリフだ。

 

操演とは、戦闘機のミニチュアや怪獣などをピアノ線で操作する、特殊撮影の技法のこと。空中に吊り下げられている自分の状況を表現した言葉として面白いのみならず、特撮好きを公言する庵野秀明総監督のこだわりとも受け取れる、名ゼリフだといえるだろう。