■『新幹線変形ロボ シンカリオン』とは
『新幹線変形ロボ シンカリオン』は、実在する新幹線が変形したロボットを主役とした、ジェイアール東日本企画、小学館集英社プロダクション、タカラトミーの3社合同によるプロジェクトだ。
2015年3月の玩具発売に始まり、2018年1月~2019年6月には、TBS系でテレビアニメが放送された。子どもと大人が力を合わせて脅威に立ち向かう姿や、互いの“好きなもの”を尊重することで関係を深めていくシンカリオン運転士など、現代ならではの発想が盛り込まれたドラマは、子どもたちだけでなく大人のアニメファンをも魅了。全76話という、日本のロボットアニメの歴史でも5本の指に入るロングランを記録した。
■『エヴァ』と『シンカリオン』の夢の競演!
近しい親族が開発に携わったロボットに少年が乗り込むという、『エヴァ』と同じくロボットアニメの王道にのっとったスタートを切ったことから、『エヴァ』との比較で語られることも多かった『シンカリオン』。
第17話「西へ!! シンカリオンVS大阪名物!?」には、エヴァ新幹線こと500 TYPE EVAが登場し、第31話「発進!! シンカリオン 500 TYPE EVA」では、『シンカリオン』の主人公・速杉ハヤトが『エヴァ』のような世界に迷い込むコラボストーリーが展開された。
『エヴァ』の主人公・碇シンジは、シンカリオン 500 TYPE EVAの運転士として登場。小学生のハヤトと中学生のシンジという年齢差もあってか、『エヴァ』のシンジとは一風変わった落ち着きのある頼もしい姿を見せた。
演出面では『エヴァ』にオマージュを捧げたカットが散見されるため、本家のカットと比較してみるのも面白いだろう。また、テレビ放送版では『残酷な天使のテーゼ』が挿入歌として流れるなど、『エヴァ』の音楽を随所で使用して物語を盛り上げていた。
■それぞれの“らしさ”が溢れ出るマニアックな仕掛け
鉄道の描写の丁寧さや、鉄道知識の深さという面でも支持を受けている『シンカリオン』。第31話でもマニアックな鉄道へのこだわりは健在で、ハヤトの案内役として登場したのはシンジではなく、シンジのクラスメイトである洞木ヒカリと、彼女の姉妹のコダマとノゾミという、東海道新幹線から名づけられた3人だった。
また、ハヤトとシンジが戦う敵には、キングシトエルという『エヴァ』の敵である使徒が合体した新キャラクターが登場。ウルトラマンシリーズに登場する合体怪獣へのリスペクトが込められたキングシトエルの存在こそが、第31話の『エヴァ』濃度を非常に高いものにしているといっても過言ではないだろう。
シンカリオン 500 TYPE EVAとシンジは、昨年12月27日公開の『劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』でも登場。第31話のストーリーを踏まえた活躍を見せているので、そちらもぜひチェックしてほしい。