■ヱヴァQのあらすじ
ヱヴァQでは、前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のラストから14年の歳月が流れた世界が舞台となる。
碇シンジが目を覚ました場所は、かつてのNERV職員を中心に結成された反NERV組織「WILLE」の戦艦「AAAヴンダー」の中。そこでシンジは、第10の使徒から救出したはずの綾波レイが存在しないという事実を知らされ、二度とエヴァンゲリオンに乗らないよう警告を受ける。
AAAヴンダーを襲撃したエヴァンゲリオンMark.09とレイの声に導かれ、WILLEから離れNERVへと向かうシンジ。変わり果てたNERV本部で、シンジは父のゲンドウと再会し、渚カヲルと出会う。そこでシンジは、自分が引き起こしてしまった惨劇の真相を目の当たりにするのだった。
■理不尽な目に遭うシンジの姿こそエヴァの醍醐味
ヱヴァQでは、『新世紀エヴァンゲリオン』(以下、旧世紀版)とは全く異なる物語が描かれており、観客は14年を経て目覚めたシンジと同じく、何も知らされていない境遇に身を置かれることとなった。
このシンジを取り巻く状況や、人間関係の理不尽さを共有する視聴体験こそが、旧世紀版の大きな特徴の一つ。そのため、ヱヴァQは完全新作でありながら、ある意味で原点への回帰を果たしているともいえるのだ。
■新たなエヴァパイロットであるマリの正体とは?
前2作以上に、数多くの謎が散りばめられたヱヴァQ。なかでも最大の謎は、前作で初登場した真希波・マリ・イラストリアスの存在だろう。
別の思惑を抱いているような言動を垣間見せ、時にシンジを励ますような言葉をかけるマリ。ゲンドウを“くん”づけで呼んだり、彼女とよく似た女性がシンジの幼少期の写真に映っていたりと、その行動の目的や正体は謎だらけだ。果たして『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で、彼女の秘密は明らかになるのだろうか。