【ガンダム小話】顔面風車!視聴者を絶句させたネーデルガンダムって知ってる? 衝撃の珍ロボット3選

コラム

TND幽介

 

『機動戦士ガンダム』シリーズは、クールなデザインのモビルスーツ(以下MS)による戦争を描き、人気を博したのはご存じの通り。だがなかには思わず笑ってしまう珍デザインのMSも存在する。今回はそんな機体をピックアップ。

 

 

■アッグガイ:無駄に巨大な頭部、二頭身、両手にヒートロッドの変態メカ

 

まず紹介するのは「アッグガイ」だ。もともと当時の雑誌やプラモ企画と連動して生まれた、MSのバリエーションを展開していくデザイン企画、「モビルスーツバリエーション(MSV)」から生まれた機体だった。だが、カルト的な人気が功を奏してか、後年『機動戦士ZZガンダム』に登場を果たしたのである。

 

地球連邦軍の基地ジャブローを攻略する名目で制作された、“アッグシリーズ”という特殊戦用MSの一体。水陸両用の接近戦用機として設計されており、柿の種の中心に巨大な黄色い目玉が付いたようなインパクト抜群の頭部、二頭身の妙に可愛い胴体。そして、鞭のようにしなり、高音・高電圧を流し込むヒートロッドが両腕に2本ずつ装備されている。

 

人型にすることで汎用性や多用途性が生まれる、というMSの概念の一つを壊すような、ジオン軍が陥りがちな特化型のMSだったのだ。ZZ本編で相対した主人公のジュドー・アーシタには、一目見るや「なんてMSだ、アナクロニズムが!!」と吐き捨てられてしまっている。


 
■グルドリン:ドリル状の本体に両腕を付けただけ…MSの概念を覆す珍兵器

 

次は『機動戦士ガンダムAGE』から、地球連邦政府に敵対する火星国家ヴェイガンが作ったMS「グルドリン」。物語終盤、徐々に国力が疲弊してきたヴェイガンによる、単純化・合理化の構想の元に生み出されたロボットだという。

 

横に向けたレモンの先端に緑色の円錐がくっついたような奇怪な胴体に、歪に見えるマニュピレーターが付いただけという、斬新すぎるデザインのグルドリン。攻撃は、先端部分から展開されるビーム式のドリル兵器「ビームスクレイパー」のみ。

 

そのビジュアルもさることながら、頭に付いたドリルでの特攻のみという攻撃方法の潔さも、視聴者に大きな衝撃を与えた一因だろう。一応未完成の機体のようだが、人型のMSが戦闘を繰り広げる戦場で、黄色く光るレモンのようなグルドリンが突っ込んでくる様は異様としか言いようがないだろう。

 

 

■ネーデルガンダム:顔面風車! 視聴者を絶句させたネオオランダ代表ガンダム

 

最後は『機動武闘伝Gガンダム』から、ネオオランダ代表のネーデルガンダムだ。本作に登場する人型機動兵器は、正確には搭乗者の動きを再現する「モビルトレースシステム」を導入した「モビルファイター(以下MF)」ではあるが、その奇怪すぎるデザインは本記事では避けて通れないだろう。

 

そもそも、本作に登場するMFは魚がモチーフのマーメイドガンダムや、釣鐘の上に数珠が連なったようなマンダラガンダムなど、珍ロボットのオンパレード。けれど、そのなかでも、ネーデルガンダムは胸部に巨大な風車を取り付けたトンデモビジュアルで、ひときわ視聴者の度肝を抜いたのだった。

 

特筆すべきはその戦闘スタイル。なんと、頭や手足を収納して本物の風車に偽装し、不意打ちで相手を狙うという姑息極まりないものなのだ。そんなネーデルガンダムだが、最終決戦時には、40体ほどのネーデルガンダム部隊が戦場に駆けつけ、大量の風車が空に舞うというこれまた強烈な絵面をお茶の間に届けてくれた。