誕生から45年以上の時を経てもなお、多くのファンに愛されているゲッターロボシリーズ。今回は漫画家・石川賢が描いた作品からの影響を強く受けた、ゲッターロボのOVA(オリジナルビデオアニメーション)3作品を紹介する。
■アナーキーな世界観が人気の『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』
[1998年/全13話]
かつて謎の生命体「インベーダー」との戦争で勝利を収めたゲッターチーム。そんなゲッターチームの新たな戦いが描かれた第1部と、それから13年後の世界が舞台の第2部に物語は分かれる。それぞれ元ゲッターチームのリーダー「流竜馬」と、謎の青年「號」が主人公だ。
本作では以前のシリーズに登場したキャラクターと同名の人物が多く登場するが、ゲッターチームの支援者であった「早乙女博士」が人類の敵となるなど、過去の作品とは全く異なる性格や境遇などが描かれ、多くのファンに衝撃を与えた。この大胆な設定変更は、後の2作のOVAにも踏襲されていくことになる。
テレビアニメ版よりも高い年齢層をターゲットとしたこともあり、全体的に陰惨な雰囲気が漂い、バイオレンスな描写が散見されることも特徴。そのハードな世界観や、迫力のあるアクションシーンが支持を得ることとなった。
■ハイテンションでぶっちぎる『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』
[2000年/全4話]
ゲッターロボの活躍によって、爬虫人類の国家「恐竜帝国」の地上侵略が阻止されて5年。恐竜帝国復活を予見していたゲッターロボの元パイロット「神隼人」は、新たなるロボット「ネオゲッターロボ」の開発を進めていた。隼人はネオゲッターロボ第3のパイロットとして、闇プロレスのレスラー「一文字號」のスカウトに向かう。
人物関係や舞台設定、恐竜帝国の復活という筋書きから、漫画版『ゲッターロボ號』を強く意識した作品になっているOVA第2弾。本作初登場のネオゲッターロボも、『ゲッターロボ號』のゲッターロボをモチーフとしている。
他の2作品が全13話であるのに対して、本作は全4話と非常に短い話数になっている。その結果、各話の見応えとテンポが重視された勢いのある作風となり、現在でも唯一無二の存在感を放っている。
■ワイルドな男たちの熱いドラマで魅了する『新ゲッターロボ』
[2004年/全13話]
ゲッター線研究者の「早乙女」は、謎の怪物「鬼」の襲撃に対抗するため、ゲッターロボを開発。早乙女はゲッターロボを乗りこなせるパイロットとして、空手道場を営む「流竜馬」に目をつける。ゲッターロボの搭乗者となった竜馬を待ち受けていたのは、想像を絶する過酷な運命だった。
OVA第3弾にあたる本作では、漫画版『ゲッターロボ』への原点回帰が図られ、特にパイロットをスカウトする序盤のストーリーや、竜馬と隼人の人物設定、主役機であるゲッターロボのデザインに色濃く反映されている。
ドラマとしては竜馬を中心とした早乙女研究所の人間関係が見どころ。はみ出し者揃いのゲッターチームが幾度となく衝突しながらも、そのたびに結束を強め、敵を打ち倒していく姿が、視聴者の胸を熱くさせた。