世界初のカップ麺として知られ、国民から愛されている商品が、日清食品の「カップヌードル」です。ですが、日本中の誰もが知っているこのカップ麺には、実は多くの人が知らないであろう驚くべきトリビアがたくさんあるのです!
■カップの中で麺が浮いている!?
誰でも一度は作ったことがあるだろうカップヌードルですが、蓋を開けて、上から見ているだけではわからない秘密があるんです。実は、カップに入っている麺の塊が、真ん中で浮いているというのです。どういうことか、説明しましょう。
下に向かって狭くなっているカップの、底よりも大きい麺の塊を入れることで、カップの中間に麺を固定し、底に付けないようにするこの構造は、中間保持法と呼ばれるもの。輸送中に麺が動いて壊れてしまうことを防ぎ、また、蓋を開けたときに具材が近いため、より美味しそうに見えるという効果もあるそうです。
このアイデアを生み出したのは、何を隠そうカップヌードルの生みの親である安藤百福。しかし、いざ麺の塊をカップに入れようとしたところ、傾いてしまったり、ひっくり返ってしまったりと、上手くいかないことも多かったのだとか。
ここで再度、安藤が閃きます。それが、置いた麺にカップをかぶせるというやり方。文字通りの“逆転の発想”で、大量生産を可能にしたそうですよ。
■スープの味によって麺が違う!?
老若男女に愛されているカップヌードルですが、非常に細かいこだわりによって、あの美味しさを実現しているようです。
特にこだわりが詰まっているのが麺。ノーマルなものと、シーフード味やカレー味のものとは、スープや具材が違うのはもちろんですが、実は麺にもそれぞれに違いがあるのだとか。例えば、インパクトの強いカレー味のスープに麺が負けてしまわないように、少しだけ太くすることによって、麺が連れてくるスープの量を減らしているそうですよ。
また、太さだけではなく麺の味にも違いがあり、ノーマルタイプの麺は醤油とチキンの味付けに、カレー味はポーク風味の味付けになっているとのこと。シーフード味の麺はシンプルな醤油味になっているのですが、それは魚介の風味を殺さない工夫なのだそうです。
■そういえば、あの模様って何?
最後に小ネタを一つ。容器に描かれている、金色の「!」がたくさん並んでいるような模様について、解説いたしましょう。社内では“キャタピラ”と呼ばれているというこのデザインの元となったのは、安藤が訪れたデパートで、たまたま見かけた洋皿なのだとか。
これから着想し、パッケージに帯状の図形が描かれることとなったそうです。現在では、ロゴやブランド名がなくても、“キャタピラ”さえあればカップヌードルとして認識できるということで、このデザインが位置商標として登録されているそうですよ。