さまざまな思惑が錯綜する人間ドラマも『機動戦士ガンダム』シリーズの醍醐味のひとつ。そんなドラマを生み出してくれるのが“裏切り者キャラ”だ。今回は、視聴者をやきもきさせた名・裏切り者をピックアップ!!
■ニナ・パープルトン:ヒロインがストーリー終盤でまさかの裏切り!
まずは『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する本作のヒロイン、ニナ・パープルトンだ。アナハイム・エレクトロニクス社の研究者であり、物語の核を担う「ガンダム試作1号機」と「試作2号機」の設計者のひとりでもあるニナ。
劇中では、ガンダムのテストの現場責任者として、主人公コウ・ウラキの乗る強襲揚陸艦アルビオンに乗艦。コウと仲を深めながら、「ガンダム試作2号機」強奪事件から続く、ジオン軍残党が起こしたデラーズ紛争に巻き込まれていく。
そして、コロニー落としをめぐる最終局面で、ニナはコウの宿敵であるジオン軍人アナベル・ガトーを突如としてかばい、コウに拳銃を向ける。なんとニナ、ガトーと過去に恋人関係にあり、この局面でまさかの裏切りを発動したのだ。しかし、エピローグではシレッとコウの元に戻ってきたこともあり、ファンからは散々な評価を受けることとなってしまった。
■レコア・ロンド:心の拠り所を求めてティターンズに寝返った覚悟の女
次は『機動戦士Zガンダム』に登場する、エゥーゴの女性士官レコア・ロンドだ。意志が強く、凛々しい立ち振る舞いの女性として描かれる一方で、“女性として認めて欲しい”という気持ちを抱く悩める人物でもあった。
劇中においては、クワトロ・バジーナことシャア・アズナブルと恋仲であったが、シャアがあまりかまってくれなくなったことから、心が離れていく。そして心の拠り所を求め、潜入任務で出会ったティターンズのパプテマス・シロッコに惹かれていき、エゥーゴを裏切ることになる。
コロニーへの毒ガス注入など、引き返さない悪行を重ねるようになってしまい、最終局面では、ティターンズからエゥーゴに寝返った、自身と鏡像関係にもあるエマ・シーンと激突。モビルスーツでの白兵戦の末にコックピットをビームサーベルで貫かれ、戦いに女を利用するばかりの男を恨みながら戦死を遂げた。
■アスラン・ザラ:本編のもう一人の主人公はコロコロと所属を変えまくる
最後は、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズのもう一人の主人公ともいえるキャラクター、アスラン・ザラだ。メインキャラクターでありながら、その行動を見ていると裏切りとも取れる行為を重ねている人物でもある。
ザフト軍のエリートパイロットとして、戦場でかつての親友であり主人公であるキラ・ヤマトと激突を繰り返したアスラン。しかし、物語後半でキラの乗るフリーダムガンダムを助け、ザフトを裏切り三隻同盟へ合流を果たす。
続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、恋人のカガリのボディーガードとしてオーブに身を置くが、戦闘の最中にザフトの新造戦艦ミネルバに保護され、再びザフト所属に。その後、ザフトを脱走するも追撃に遭い、瀕死になるも生存。最後は再びキラ達一行に合流し、ドヤ顔でザフト軍トップであるデュランダル議長のデスティニープラン粉砕に尽力した。