『機動戦士ガンダム』シリーズには、戦場に似つかわしくないド派手なカラーリングのMS(モビルスーツ)が存在する。なかでも黄金に輝く機体はひと際目立つのは言うまでもない。そこで今回は“黄金のモビルスーツ”を3機紹介したい。
■「百式」(『機動戦士Zガンダム』)/シャアことクワトロ・バジーナの愛機だった
まずは『機動戦士Zガンダム』(1985年)より、形式番号MSN-100「百式」だ。今までのシリーズにはなかったそのビジュアルインパクト抜群のカラーリングと、“赤い彗星のシャア”ことクワトロ・バジーナの搭乗機ともあって、人気の高いMSとなった。
グリプス戦役においてエゥーゴは、可変式MSの開発ではティターンズに遅れをとっていた。そのため開発チームは、可変式MSの開発を急務としていたのだ。そんななか可変式MSの試作機として開発が進められたものの、失敗に終わり、非可変式に戻して誕生したのがこの百式とのこと。
戦局終盤には少々機体性能的に分が悪くなってしまった百式だが、クワトロの卓越した操縦と相まって猛者相手に健闘を見せている。ちなみに黄金に輝くのは、ビームを多少弾く効果のあるエマルジョン塗装の一種を処理する過程で、光沢効果のある皮膜ラミネートを施しているからである。
■「ユニコーンガンダム3号機 フェネクス」(『機動戦士ガンダムNT』)/連邦が独自開発
次は『機動戦士ガンダムNT』(2018年)などに登場する、形式番号RX-0「ユニコーンガンダム3号機 フェネクス」だ。フル・サイコフレームで作り上げられた驚異の性能を誇るユニコーンガンダムの3機目にあたり、ソロモン72柱の一角である悪魔「フェネクス」の名が冠された本機の行方を追うのが、本作のあらすじとなっている。
前作の『機動戦士ガンダムUC』では、1号機のユニコーンガンダム、2号機のバンシィが登場したが、この3号機はフル・サイコフレームの素体を元に地球連邦軍が独自に作り上げたもの。
劇中では、連邦軍のニュータイプ研究所で過酷な生活を負わされていた三人の少年少女の一人、リタ・ベルナルが搭乗していた。接触した機械を、時を巻き戻したかのように分解するなど、破格かつミステリアスな性能を見せつけたのである。
■「アカツキ」(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)/ビームを反射する鉄壁防御性能
最後は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(2004年)から、形式番号ORB-01「アカツキ」を紹介したい。『機動戦士ガンダムSEED』の続編である本作で、アカツキはバランスブレイカーと呼べるほどの防御性能を見せて話題を呼んだ。
第一次連合・プラント大戦から続く戦果のなか、中立を表明し、主人公たちの多くが関わることとなるオーブ連合首長国の秘匿機体。同国の元首長ウズミ・ナラ・アスハが、現首長であり本作のヒロインの一人であるカガリに残した黄金に輝くMSでもある。
そして、その最大の特徴は黄金の装甲「ヤタノカガミ」。これはMSのビーム攻撃はもちろん、戦艦の陽電子砲の直撃すら跳ね返す尋常ならざる防御力を誇っているのだ。劇中ではカガリが搭乗したのち、ネオ・ロアノーク(ムウ・ラ・フラガ)の乗機となり、ザフトのデュランダル議長の計画を止めるために激戦をくぐり抜けた。