イタリアン料理がお手頃な価格で楽しめる「サイゼリヤ」。今や大手外食チェーンと呼ばれ、同社を成功に導いた経営戦略が話題になることも多いですが、実はひとりの大学生が千葉県市川市に開いた小さな洋食屋から始まったのです。
■大学4年生の時にサイゼリヤをオープンさせた創業者
創業者・正垣泰彦さんは医者の家に生まれた裕福な子供でした。高校時代までは超がつくほどの問題児だったそうですが、2年生の時に心を入れ替え猛勉強。東京理科大学に入学し、飲食店でのアルバイトを始めました。
就職活動に本腰を入れなければいけない時期に差し掛かり、周囲にアルバイトを辞めることを話すと、引き止められたそう。そして、仲間の「お店を出して、また一緒に働こう」という言葉がきっかけで、千葉県・市川市の小さなフルーツパーラーを譲り受け、大学4年生のときに「サイゼリヤ」の営業を開始しました。
ですが、開店後しばらくは商売がなかなか軌道に乗らなかったようです。どうすればお客さんが足を運んでくれるのかと考えた結果、「安くて美味しい料理を提供する」というアンサーに至り、営業開始から数ヶ月後、商品の値段を思い切って7割引きにしました。
すると、みるみる客数が伸びていき、連日2時間待ちの行列ができるほどの超人気店になりました。顧客の要望に応え、すぐに2号店をオープン。2号店は誰もが「売れない」と思う立地だったようですが、こちらもすぐに常時満席の状態に。そして3号店、4号店…と事業を拡大していったのだそう。
■サイゼリヤ1号店は現在「教育記念館」に!
サイゼリヤのはじまりの地となった1号店は現在も千葉県・市川市のJR本八幡駅から徒歩1分の場所に残っています。しかし、店舗としての営業は2000年2月に終了しており、現在は「サイゼリヤ1号店教育記念館」として、保存されているんです。
一般の方でも見学は可能なそうですが、現在は事前予約制、要相談だそう。八百屋のうえにある1号店へと続く階段には、サイゼリヤの歴史を物語る写真の数々が展示されています。
店内は店舗として営業していた当時のまま保存されており、10卓程度のテーブルが並んでいるそう。歴代のメニュー表やサイゼリヤの歩みをまとめた年表などを見ることもでき、まさに“サイゼリヤミュージアム”という空間! ぜひ足を運んで、サイゼリヤの歴史に触れてみたいものです。