古本や家電などを販売するリサイクルチェーン「ブックオフ」。大きな店舗の場合、同じくリサイクルショップの「ハードオフ」が併設されていることも珍しくないですよね。実はこの2つ系列ではないそうなんです……! ロゴも名前もそっくりなのに、一体なぜ?
■創業者同士が、業界の勉強会で知り合った友人だった!
「ハードオフ」を経営する「ハードオフコーポレーション」の創業者・山本善政さんは、1972年に新潟県で新品のオーディオのみを扱う会社「サウンド北越」を立ち上げました。その頃、現在の「ブックオフコーポレーション」の創業者である坂本孝さんも、山梨県甲府市でオーディオの販売事業を展開していました。実は、ふたりはオーディオ関係の勉強会で知り合い、友人関係にあったのだそうです。
ですが、時代とともにオーディオの売れ行きは伸び悩み、「サウンド北越」の経営が苦しくなっていきました。そんなとき山本さんは、坂本さんが「ブックオフ」で中古品販売のビジネスを始めていたことを雑誌で知ります。中古品販売事業に目をつけていた山本さんは坂本さんに連絡を取り、「一緒にやりたい」と申し出たのだそうです。
■当初は「ハードオン」にする予定だった? 切磋琢磨して成長した2社
そんな背景があり「サウンド北越」は「ブックオフ」に合流。コラボ第1号店は一緒に運営することになり、ロゴや店の名前は似せることにしたそうです。そして、山本さんは自分の店を「ハードオフ」と命名。ちなみに当初は「ブックオフ」に対して「ハードオン」という名前にする予定だったとか。
その後は、2015年までは「ブックオフ」が「ハードオフ」のフランチャイズをやったり、「ハードオフ」が「ブックオフ」のフランチャイズをやったりと、互いに助け合いながら成長してきたという2社。双方がフランチャイズ経営をしていたら、多くの人が同じ会社だと勘違いするのも無理はありません。
現在でも「サウンド北越」時代からのゆかりの地である、新潟県内の「ブックオフ」は全て「ハードオフ」が経営しています。余談ですが、「オフハウス」や「ホビーオフ」など、店名に「ブックオフ」が含まれていない“オフ系ショップ”は「ハードオフ」が展開している系列店だそうです。
−−「ブックオフ」と「ハードオフ」の仲良し経営の裏には、駆け出し時代からの絆があったわけですね。やはり“持つべきものは友”ですね!