『ジョジョ』悪のカリスマ・DIOって何者? DIOのことがわかるようになる名言3選

コラム

TND幽介

 

1987年の開始以来、30年以上の月日が経っても連載を続け、いまだ衰えぬ人気を誇る漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。今回は部を超えてジョースター家の前に立ちふさがった、悪のカリスマ・DIOの名言を3つ選出した。

 

 

■第14巻/DIOの哲学「おれは『恐怖』を克服することが『生きる』ことだと思う」

 

まずは、第3部「スターダストクルセイダーズ」より、ディオの生きてきた道が垣間見えるこの名言を紹介したい。

 

イギリスの貧民街出身で、酒乱でDVを繰り返す父に恨みを抱いて育ったDIO。第1部で飽くなき権力欲と強すぎる上昇志向から吸血鬼となり、第3部では時間を支配するスタンド能力“ザ・ワールド”を得た。

 

そんな彼は、自身の配下であるエンヤ婆に上記の台詞を吐いてこう続ける。「世界の頂点に立つ者は! ほんのちっぽけな『恐怖』をも持たぬ者ッ!」。父親に支配され、恐怖してきたからこそ、究極の“上”に立つために恐怖を捨て去ろうとする彼の人生訓が窺える言葉だ。

 

 

■第27巻/カリスマ性漂う「人間は何のために生きるのか考えたことがあるかね?」

 

次も同じく第3部から。長き旅の果てにDIOの館にたどり着いたジョースター一行。DIOの部下であったスタンド使いの剣士・ポルナレフは、巨大な階段の上から自分を見下ろすDIOとついに合間見える。

 

DIOのオーラに気圧され気味なポルナレフを見て、DIOは悠々と上記の台詞を吐きこう続けた。「『人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる』名声を手に入れたり 人を支配したり 金儲けをするのも安心するためだ」。

 

先の紹介した台詞と通ずるように“恐怖を捨て去ること”が強さを信じるDIOは、“恐怖を捨てて安心するには私の部下になれ”とポルナレフを諭す。自身の精神論で他者を取り込み支配する……まさに悪のカリスマたる危険で魅力的な名言と言えるだろう。

 

 

■第69巻/DIOが目指した究極の高み「真の勝利者とは『天国』を見た者の事だ」

 

最後は、第6部「ストーンオーシャン」で語ったこの台詞と、後に続く「どんな犠牲を払ってもわたしはそこへ行く」という言葉だ。第6部の時点では既に亡き者となっているDIO。しかし、彼の“恐怖を克服し人々に安心を与え、人類の頂点に立つ”という思想は、彼の親友であるエンリコ・プッチ神父に受け継がれていた。

 

第3部の時のDIO側の視点が描かれる第6部において、彼は偶然出会ったプッチと友人関係を築いていた。交流を続ける中で、ある日DIOはプッチに上記の台詞を吐く。DIOの言う「天国」とは、精神力の象徴でもあるスタンド能力の行き着く一つの終点を指しており、彼の飽くなき上昇思考の終点でもあった。

 

その「天国」の正体とは、進化したスタンド能力で“宇宙を一巡させ、全生物に自分が将来どんな目に逢うのか一度体験させ、絶望を吹き飛ばす”ということだった。そして、その運命は能力を発動した者以外変えられない。つまり、全世界の生命に“安心”を与え、なおかつ支配するというおぞましいものなのだ。DIOのこの思想は狂信的なプッチによって代行され、ファンを騒然とさせた第6部衝撃の終盤へつながっていくのだった。