レンチンでも美味しい!不動の人気ウインナー「シャウエッセン」の歴史を “パリッ” と振り返る

コラム

citrus 二階堂銀河

 

2019年に発売35周年を迎えた、日本ハム株式会社の人気ウインナーブランド「シャウエッセン」。実際に食べたことがなくとも、CMでその名を知っているという方も多いのではないだろうか。今回はそんな「シャウエッセン」の歴史をご紹介しよう。

 

 

■目指すは本場ドイツの味! 数年に及ぶ試行錯誤の末に誕生

 

「シャウエッセン」が誕生したのは1985年2月のことだが、その開発は1970年代の後半から始まっていた。

 

成田空港の完成によって、日本の国際化が本格的に進み始めた当時。消費者に本場の味が求められる時代が訪れることを予想した日本ハムは、ウインナーの本場であるドイツの味を目指して、新ウインナー開発に取り組み始めた。

 

幾度となくドイツへ足を運び、徹底してウインナーの製法と味を研究することから始まった「シャウエッセン」開発。やがて、ウインナーの皮や肉の原料や、薫りを引き立たせる製法などを発見し、「シャウエッセン」を生み出したのである。

 

 

■茹でるウインナーを“音”でPR 反響呼んだテレビCM

 

「シャウエッセン」は、本格あらびきウインナーとして登場。本場ドイツの味を追求したために、フライパンで炒めるという当時ポピュラーであった調理法ではなく、ボイルによって美味しさが引き出される商品となった。

 

馴染みの茹でて食べるウインナーを広めるにあたって取られた作戦が、“音”をアピールすることだった。「シャウエッセン」の皮に使用している天然の羊の腸は、ボイルすることで張りつめるため、噛んだときにパリッという音が響く。テレビCMではこの独特な食感を音と「美味なる物には音がある!」というキャッチコピーによってアピールした。

 

その結果、「シャウエッセン」は見事に注目を集めることに成功。発売初年度から100億円も売り上げる好スタートを切った。

 

 

■電子レンジ調理でも美味しい! 35年目の新たな挑戦

 

日本経済新聞社のデータベースである日経POS情報によれば、1989年1月~2019年4月の平成の時代に最も売れた商品である「シャウエッセン」。2019年には、それまでのブランドイメージを覆すような発表を行った。

 

その発表とは、電子レンジ調理の解禁である。先述のとおり、ボイル調理でその美味しさが引き出されることが「シャウエッセン」の特徴だった。だが、35周年の節目を迎えるにあたって、美味しさが損なわれない加熱時間の目安を設定することで、電子レンジ調理解禁を大々的に宣言したのである。

 

さらに、同年には「シャウエッセン」の肉を使った新商品「あらびきミートローフ」を発売。どちらもTwitterなどで話題を呼び、若年層のファンを新たに獲得したのだ。