『DEATH NOTE』息子が大量殺人犯だった悲劇の良識派【父・夜神総一郎の生き様と末路】

コラム

citrus ダン・ブルウッド

 

名前を書かれた人間が死ぬ“デスノート”を使い、理想の世界創造を目指す主人公・夜神月と、彼を逮捕しようとするライバルとの頭脳戦が、アニメや漫画で人気を博した『DEATH NOTE』。今回は月の父で、日本捜査本部の責任者でもある夜神総一郎の名場面を紹介。

 

 

 

■page.23「激走」/キラを止めるためにテレビ局へ決死の特攻!

 

 

総一郎は真面目で正義感が強い、警察官の鑑のような人物。“キラ”として暗躍する月や、日本捜査本部の実質的なトップとして事件を捜査するLのような優秀な頭脳の持ち主ではないが、キラ逮捕にかける情熱と行動力の高さで事態を好転させたこともある。

 

 

キラ事件捜査の過労が原因で入院してしまった総一郎。その最中、テレビでキラからのメッセージが放送され、キラによる犠牲者も発生。総一郎は単身テレビ局に乗り込み、キラから送られたビデオテープの押収に成功した。

 

 

page.23「激走」ラストで描かれた護送車でテレビ局玄関に突撃する場面は、総一郎の気迫とキラ事件解決への責任感が伝わる名シーンと言えるだろう。

 

 

 

 

 

■page.36「親子」/命を懸けて息子の無実を証明する父の愛

 

 

どれだけLに疑惑の眼差しを向けられても、息子の無実を信じ続けた総一郎。そんな総一郎が家族への愛情と警察官としての使命感の間で苦悩する場面が、『DEATH NOTE』ではたびたび描かれた。page.36「親子」で月に拳銃を向けたシーンは、その代表的な例だ。

 

 

第2のキラとして弥海砂が逮捕され、新たな計画のため拘束されることを願い出た月。総一郎もまた、自身が月のために感情的な行動を取らないよう自ら監禁される。月の監禁後もキラが活動している状況を踏まえ、Lは潔白が証明された場合は監禁を終わらせると約束を交わし、総一郎に月と心中する芝居をさせる作戦を実行した。

 

 

このエピソードでの総一郎の芝居は、Lも称賛した通りまさしく迫真の演技。拳銃を構えるまでと空砲を撃ったあとの表情の変化は必見だ。

 

 

 

 

 

■page.74「熱演」/キラに狂わされた人生の最期に見たものとは?

 

 

総一郎の殉職が描かれるpage.74「熱演」は、『DEATH NOTE』の物語のなかでも大きな節目を迎えたエピソードである。

 

 

顔を見た相手の名前と寿命がわかる“死神の目”の取引を行い、キラを捕らえるために手段を選ばないLの後継者メロの殺害と、彼に奪われたデスノートの奪還を目的とする作戦に参加した総一郎。ノートを手に入れた総一郎はメロに降伏を迫るが、即座に名前を書かなかった隙を突かれてメロの部下に撃たれてしまう。

 

 

デスノートを手に入れたことで息子の月は大量殺人犯となり、娘の粧裕も事件に巻き込まれ、父の総一郎は命を落としてしまうと、デスノート最大の被害者とも言える夜神一家。だが、死神の目の能力で息子がキラではないと信じたまま死ぬことができた総一郎は、最後の瞬間だけは救われていたのかもしれない。