二度のアニメ化を果たし、原作漫画は7200万部突破の『HUNTER×HUNTER』。本作の主人公ゴン=フリークスは、純粋であると同時に非常に頑固で、その行動は見ていてヒヤヒヤすることも多い。今回はそんなゴンのヤバイ言動をピックアップした。
■第1巻より/躊躇なく人を助けるために荒れ狂う海へダイブ!!
ゴンの性格は度がすぎた天然であり、信用した相手にはためらうことなく命を預ける。そんな、彼のある種の危うさが見えたのは、なんとシリーズの第1巻。
ハンター試験に挑むため、故郷のくじら島から船に乗ったゴン。彼は、その船の中で同じくハンターを目指すクラピカとレオリオに出会う。互いになぜハンターを目指したのか語り合う最中、船は大きな嵐に巻き込まれてしまう。そんなとき、クラピカとレオリオは些細なことから口論に発展。
あえて傍観していたゴンだが、船の船員が事故で海に投げ出されそうになったのを見るや、甲板で喧嘩をしていたクラピカとレオリオが自分を掴んでくれることを信じて、なんの躊躇もなく海に飛び出したのだ。結果二人は口論をやめ、慌ててゴンの足をつかんだが、よく言えば二人の善性を見抜いた、悪く言えば無鉄砲極まりないゴンの性格を読者に植え付けたシーンだった。
■第18巻/爆弾魔とのバトルで見せた、意地を張るための衝撃シーン
次は、父の残したゲーム世界を探検した、グリード・アイランド編の終盤で登場したシーンだ。ゴンとその親友キルアは、グリード・アイランドの中で出会い、師となったビスケの元で修行に明け暮れていた。
そんな折、自分たちの求めるカードを集めるため、ゲーム内でプレイヤーを無慈悲に殺戮する爆弾魔の念使い・ゲンスルー一味と対決することになったゴン一行。圧倒的経験値の差を埋めるために、ビスケはゴンとキルアとともにゲンスルーを巨大な落とし穴に落とす一計を案じた。
その計画の実行中、握ったものを爆破するゲンスルーの能力に苦戦しっぱなしだったゴンは、ゲンスルーに蹴りを入れるがために片手の念防御を解除。そのエネルギーを蹴りに回したのだ。この、意地とも言える一撃のために、ゴンは片腕を吹き飛ばされてしまうのだった。
■第29巻/復讐のためなら少女の命すら脅しに使う非常ぶりの戦慄……
最後は、第29巻でのゴンの発言だ。捕食した生物の特徴を取り入れて異常進化する生物・キメラアントたちとのバトルは、佳境にさしかかっていた。ゴンは恩師であるカイトを襲い、ゾンビのような状態にした張本人であるキメラアントの王直属護衛軍の一角であるネフェルピトー(以下ピトー)と相対していた。
しかし、ピトーは仕える王の大切な相手である善良な盲目少女・コムギが重症を負ってしまったことで、彼女の治療に自身の能力を使わざるを得ない状況に陥っていた。しかしゴンはそんな状況でも御構い無しに自分との決闘を要求。治療を優先させてくれと懇願するピトーに、ゴンは治癒まで目の前で待つと宣言したのだ。
そして治療が終わり、いざ決闘という場面。治癒されたとは言えまだ不安定なコムギを見たピトーが一言、「出来れば彼女を…」と呟くや否や、ゴンは殺気に満ちた表情で「ピトー 次ゴタゴタ言ったらそいつを殺す」とコムギを指差したのだ。およそ少年漫画の主人公とは思えないその狂気は、ピトーのみならず読者をも戦慄させた。