このコロナ禍で、生活の様々な場面で変化が生じました。私も対面での講演、セミナーではなく、オンライン講演、セミナーが中心となり、「新しい生活様式」への対応を図らざるを得なくなっています。
コロナ禍では「密」を避けることと同時に、免疫力を上げることが注目されています。ワクチンがまだ接種に至っていないだけに、自らを守る手段として免疫力を上げることが重要ということでしょう。
体は食べたものでできているといわれています。つまり、食べ物に気を付ければ様々なことへの対策もたてられるし、おまけにメンタルも強くなるのだということを今回は取り上げます。
たとえば、体調が優れなくて検査を受けた結果「炎症を起こしている」と言われたとします。炎症とは、細胞が傷つくことで生まれる現象で、炎症を引き起こす代表的な疾患は、歯周病(歯周炎)、関節炎、膠原病、アトピー性皮膚炎、肝炎、腎炎、動脈硬化、認知症、ガンなどです。
この炎症を抑える食べ物として重要なのは、何といっても魚の油です。魚介類は「オメガ3系脂肪酸」と呼ばれるDHAやEPAなどを豊富に含み、慢性炎症を抑制する働きを持っています。
実は、私も魚の油に助けられた経験があります。アメリカに住んでいたとき、メジャーリーグのキャンプ取材で滞在したフロリダで、日本での経験したことのない「花粉症」にかかりました。
この時、「オイルフィッシュ」を飲み始めると症状がなくなり、それ以来、花粉症には悩まされていません。「週の半分は魚(とくに青魚)を食べる」という提案がありますが、これはオススメです。
さて、次はメンタルについてです。このコラムでも取り上げたことのある神経伝達物質で「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニン。このセロトニンは、精神を安定させ、ストレスを軽減させる働きがあり、その分泌が不足するとうつ病などのメンタルの不調に陥ります。つまり、メンタルに必要不可欠なホルモンなのです。
「腸は第二の脳」といわれるように、40種類以上の神経伝達細胞が腸内で合成され、特にセロトニンはその80%から95%が腸内細胞で作られているのです。
この腸内細菌を理想的なバランスに保つために欠かせないのが、食物繊維です。主な摂取経路は野菜や海藻類、きのこ類ですが、とくに野菜は次のことを守ってみてください。「野菜は1日4色以上食べる」です。
※食材の色の例がこちらです。赤→トマト、スイカ、唐辛子、黄色→とうもろこし、玉ネギ、黄色のパブリカ、橙→かぼちゃ、にんじん、緑→ほうれん草、小松菜、春菊、キャベツ、ピーマン、紫→なす、赤キャベツ、赤シソ、黒→じゃがいも、さつまいも、ごぼう、白→大根、ブロッコリー、にんにく、長ネギなど。
「魚の油」と「1日4色以上の野菜」は、細胞の炎症を抑え、かつ、メンタルも強くしてくれます。
ぜひとも意識して取り入れるようにしてみてください。