身体を温めてくれる、辛い料理。辛党を自負していても、なかには“おいしくて好きなのに、辛すぎて食べられない…”という料理もありませんか? そういった方のために、辛さを軽減する方法を3つ紹介します。
■辛いものを食べた後に飲む水は逆効果!? そのワケとは
料理店などで辛い食べ物を口にする時、冷えた水が欠かせないという方も多いはず。辛さを緩和する効果を期待して飲むことが多いかと思うのですが、実はここに大きな認識の誤りが。
唐辛子などに含まれるカプサイシンという辛味成分は、水に溶けにくい性質を持っています。そのため、冷たい水を飲んでも辛味を流すどころか口の中に広げてしまう原因になりかねないのです。
冷たい水を飲むのなら、食後よりも食前のほうが効果的。甘い食べ物を冷やした状態で食べると甘味が緩和されるように、口の中を冷やすことで辛さを感じにくくなるそうです。
■カプサイシンによる辛味を抑えるには乳製品を摂取しよう!
カプサイシンには体を温め、発汗を促す働きがあるため、ダイエットや美容にも効果があると言われています。しかしながら、カプサイシン摂取のために耐えかねる辛さで舌を痛めてしまっては本末転倒。無茶は禁物です。
水で口内を冷やして予防する以外にも、辛味を緩和するのに役立ってくれるのが牛乳やヨーグルトなどの乳製品。乳製品はカプサイシンが溶けやすい油脂分と、カプサイシンによる刺激を止めてくれるカゼインというたんぱく質の一種を含んでいるため、辛味を抑えるのに効果的なのです。
さらに、胃腸の神経への刺激も和らげてくれるため、辛いものを食べるとお腹を下してしまうという方にとっても打ってつけ。胃腸を守るには冷たい水と同様、食前に乳製品を摂るとより効果的なのだそう。
■ワサビ等のツンとくる辛さに対しては、温かい緑茶が最適!
刺激的な辛さの食べ物と異なる辛味を持つのが、わさびや玉ねぎに代表されるツンとした辛さの食べ物。
ツンとくる辛さや匂いは、硫化アリルという成分によるもの。揮発性が高くて熱に弱く、抗酸化作用や解毒作用、血行促進などの効果があります。また、玉ねぎを切る時に涙が出てしまう現象の原因も、揮発した硫化アリルです。
そんな硫化アリルの辛味を緩和するのにオススメなのが、温かい飲み物。硫化アリルの辛味を洗い流してくれるのです。特に緑茶はカテキンの効果で粘膜を守ることができるため、硫化アリルを含む食べ物を口にする前に飲むと辛味を抑えることができます。
よく寿司屋では緑茶が提供されていますが、わさびの辛味を抑えるという観点からすると、理に適っていると言えますね。