待望の最終シーズンのアニメ放送も始まった人気漫画『進撃の巨人』。苛烈な群像劇も魅力の本作だが、劇中には何度かホラー漫画もかくやという“怖すぎる表情”が登場しているのをご存知だっただろうか。今回はその中から厳選した3場面を紹介したい。
■ミカサ・アッカーマン/シリーズのヒロインだけど“怖い表情率”高し!!
まずは本作のヒロインであり、主人公のエレンの幼馴染の一人であるミカサから紹介したい。幼少期に両親を目の前で殺され、絶望しているところをエレンに救われたミカサ。以来、彼に巻いてもらったマフラーを愛用し、常にエレンの身の安全を念頭に行動してきたキャラクターだ。
そんな彼女は劇中、何度か“怖い表情”を見せてきた。そのひとつが女型の巨人との戦闘時。巨人の正体がアニであった事実を前に巨人化できないエレンを見たミカサは、「まだアニと戦うことを…躊躇してるんじゃないの?」、「あなたの班員を殺したのはあの女でしょ? まだ違うと思うの?」と怖すぎる発破をかけ、サイコホラー漫画のような恐ろしい表情を見せたことがある。
また、幼少期の経験からエレンを守ることに命をかけている節があり、裏切り者だったライナーとベルトルトにエレンを誘拐された際は、巨人化したライナーの手の中に匿われているベルトルトに向かって、手の向こうからギンギンに殺意を迸らせた恐怖の眼差しを向けている。
■アルミン・アルレルト/土壇場で見せる冷酷な判断のギャップにぞくり……
次は、エレンの親友であり大の読書家であるアルミンだ。幼少期はいじめられっ子で、成長してからも穏やかな性格を見せるアルミンだが、エレンやミカサ、ひいては人類を守るために勇敢な行動を取る正義漢でもある。
“怖い表情”とは一見無縁とも思われるキャラクターだが、胸えぐられる命の取り合いが行われる『進撃の巨人』の世界では、彼でさえ“怖い表情”を覗かせざるを得ない……それは物語中盤、ライナーとベルトルトにエレンを奪われ、決死の追跡をしていた場面で登場した。
巨人化したライナーの手の中のベルトルトを必死で説得する104期生たち。しかし、どの言葉にも聞く耳を持たないベルトルトを見たアルミンは、「彼が密かに想いを寄せるアニが拷問を受けている」という嘘をつき、動揺を誘うことを思いつく。そのことに閃いた瞬間のアルミンの表情は、ネット上で「ゲスミン」といじられるほどの、人間の怖さが詰まった恐ろしいものだった……。
■イェレナ/ジークを信奉する狂気のマーレ兵が見せた作中屈指のホラー顔
最後に紹介するのは、放送中の最終シーズンで登場するキャラクターのイェレナが見せた表情だ。マーレの兵士として、エレンらの住むパラディ島の偵察に訪れていたイェレナ。しかし、彼女には隠された真の目的があった。
それは、かつて自分の国を滅ぼしたマーレに復讐を果たすこと。彼女は反マーレ派義勇兵を名乗り、一転してパラディ島の面々に協力的な姿勢をとるようになる。だが、実はそれすらも隠れ蓑。真の目的は、エレンの義兄であるジークの信奉者として、彼の唱える「エルディア人安楽死計画」を成就させること。
物語後半、そんな彼女らに調査兵団の面々は捕らえられてしまう。運良く牢屋からの脱出に成功したアルミンは、彼女の計画に感じ入った演技をして窮地を切り抜けようと画策する。表面上はその考えを受け入れたような素ぶりを見せたイェレナだったが、どうやら信じ切ってはいなかったようで、アルミンの背中越しにまるで般若のような表情で立ち尽くし、「裏切ったらただではおかない……」と言わんばかりの怖すぎる圧力をかけ、読者とアルミンを戦慄させたのだった。