『稲中卓球部』神谷ちよこがイイ人すぎる 催眠術にかかったふりをして…胸が…

コラム

citrus 二階堂銀河

 

『行け!稲中卓球部』はアニメ化もされたことがあるギャグ漫画の金字塔。スケベでひねくれ者な井沢に恋する神谷ちよこは“イイ人” なのに、天然ゆえに行動が裏目に出てしまうこともしばしば……。今回はそんな神谷について振り返ってみましょう。

 

 

 

■催眠術にかかったふりをして… 神谷の天然エピソード

 

 

神谷の天然ぶりを示すエピソードは枚挙に暇がありませんが、ここではそのなかから2つを紹介。

 

 

まずは、子供の夢を壊すまいとする優しさのあまり、男子小学生にいいようにされてしまうシーン。神谷が公園でたまたま出会った少年は催眠術師になる夢を抱いているのですが、もう一人の友達にはそのことをバカにされ、涙ながらに「お姉ちゃん夢は叶わないの?」と神谷に訴えます。

 

 

「大丈夫よ きっと叶うわ!! 信じていれば叶うわよ!!」と涙を流して少年を励ました神谷は、その場で少年の催眠術にわざとかかったふりをします。しかし、神谷の意識の戻し方がわからなくなった少年たちは、途方に暮れてやむなく神谷を自宅へ連れて帰ることに。

 

 

そこで急に湧いて出た少年たちのスケベ心によって神谷は服を脱がされ、なんと胸が丸出しに。それまで催眠術にかかったふりをし続けた神谷も、それにはたまらず飛び起きて少年たちを制止……間一髪といったところでした。

 

 

次に紹介するのは、井沢の友達であるホームレスのおじさんサンチェとの一幕。サンチェはおばさんによってペットや召し使いのように扱われていたのですが、ある時サンチェはおばさんとの間に生まれた赤ちゃんを抱いて稲中卓球部のメンバーと再会します。

 

 

そのとき、井沢は「うわーー」と引いていたのですが、神谷は涙を流し、サンチェとおばさんに子供ができたことを心から喜び、素直にお祝いしていたのです。

 

 

 

 

■井沢を好きになる理由がそもそも“イイ人”すぎる?

 

 

このように、神谷は少し心配になるくらい底抜けに“イイ人”なのです。前述のような失態を犯しがちなのは、そういった点が原因と言ってもいいでしょう。さらに、井沢に一途な思いを寄せる神谷は、スケベでどうしようもない井沢に対しても献身的に振る舞い、そのいじらしさは読んでいて時に不憫に感じるほど。

 

 

では、なぜここまで“イイ人”なのでしょうか? その理由は、よくよく振り返ると初登場時から明らかでした。

 

 

神谷は初め、垢ぬけなくて地味な女の子だったのですが、井沢の指導と特訓のおかげで見た目を変えることに成功します。そして、それ以降井沢のことを「教官」と慕い、井沢に恋心を抱きます。当の井沢にとっては、ただ勝手に自分好みの女に仕立て上げただけなのに。

 

 

つまり、神谷は初登場時から極めて純粋で一途な性格の持ち主だったというわけです。度を超えた天然でもあるので、今後も険しい道は続くかもしれませんが、少なくとも井沢への恋が報われることを祈るばかりです。