ペーパーフィルターなどでろ過して抽出するドリップコーヒーは、日本ではポピュラーなコーヒーの淹れ方のひとつです。今回はドリップコーヒーが持つ効能や、よりコーヒーを美味しく楽しむことができる淹れ方についてご紹介いたします。
■ドリップコーヒーで長寿に!? 研究結果で実証された効能
カフェインによって集中力アップや、パフォーマンス向上が図れるコーヒー。ところが、コーヒーの粉を煮出して飲むトルココーヒーやギリシャコーヒーの場合だと、体内の中性脂肪やコレステロールを上げるカフェストール、カーウェオールといった物質も取り込むこととなってしまいます。
しかし、ドリップコーヒーではフィルターがそれらの物質を取り除く手助けをしてくれるため、煮出して飲むよりも健康的に楽しむことができます。
さらに、20歳~79歳のノルウェーの男女50万人以上を対象にした近年の研究結果によると、ろ過しなかったコーヒーや全くコーヒーを飲まない人よりも、ろ過したコーヒーを飲んだ人のほうが良好な健康状態だったのだそう。つまりは、ドリップコーヒーを飲むことは健康促進にもつながるということです。
■ドリップコーヒーのおいしい淹れ方 ~お湯を注ぐ前に
続いて、美味しいドリップコーヒーの飲み方をご紹介します。
まずはコーヒーを淹れるためのお湯を用意します。高温になるほど味が濃くなるのですが、理想的な温度は95℃前後だと言われています。
次に、ドリッパーの上にセットしたペーパーフィルターにコーヒー粉を入れ、ドリッパーの側面を軽く叩いて、粉をならします。
いざお湯を注いでコーヒーを、とその前に重要なのが蒸らす工程。ドリッパーの下にぽたぽたと少量が垂れる程度のお湯を注いで蒸らすことで、コーヒーの美味しさをより引き出すことができるのです。蒸らしの時間は約20秒がベストとされていますが、お湯の温度と同様に時間が長いほどコーヒーの味が濃くなるので、お好みで調整しましょう。
■ドリップコーヒーのおいしい淹れ方 ~お湯の注ぎ方
いよいよコーヒーを抽出するのに十分な量のお湯を注いでいきます。目安は130ml程度で、ペーパーフィルターの側面部分にお湯を注がないよう気をつけてください。
実はお湯の注ぎ方にはドリッパーの形状によって、美味しくするためのコツが違います。穴が複数開いているものであれば、コーヒー粉の真ん中から外側に向かって渦巻きを描くように、小さな穴がひとつしか開いていないものであれば、穴の位置めがけて集中的に注いでください。
また、ゆっくり時間をかけて注ぐと深みのある濃いコーヒーに、逆にスピーディに抽出するとすっきりとした口当たりのコーヒーになると、抽出時間によって味わいが変化します。好みの味がある場合は単純に抽出時間を調整するだけでなく、ドリッパー選びからこだわってみてもいいかもしれませんね。
ひとつひとつの手順のちょっとした時間の差で起こる味の変化を、ぜひ楽しんでみてください。