11年に及ぶ長期連載の末、ついに完結目前まで迫っている漫画『進撃の巨人』。本作にはこれまでクールで痺れる活躍を見せてきた“おじさんキャラ”が幾人も登場してきた。今回はそんなキャラクターをプレイバック。コミックスのネタバレもあるので要注意!
■ドット・ピクシス/エレンの戦術的価値を理解し人類を導いた駐屯兵団司令官
まず紹介したいのは、物語序盤から登場したドット・ピクシス。スキンヘッドに口髭を蓄えた老齢の男性で、駐屯兵団の司令官であり、巨人出現率の高いとされる壁の南方地域の軍の指揮官でもある彼は、その柔軟な思考から“変人”扱いされることも多い人物だ。
トロスト区攻防戦の最中にその巨人化能力を開花させたエレンだが、その様子にパニックとなった駐屯兵団によって処刑されそうになってしまう。そんな暴挙に待ったをかけ、彼の戦術的価値を理解し、人類の戦いを新たなステージに誘ったのがピクシスなのだ。
その後は調査兵団団長のエルヴィンと共に、壁内クーデターを実行。壁内人類が大国マーレ、裏切ったエレン率いるイェーガー派、そしてジーク信奉者らとの四つ巴のバトルに発展した際も、巧みな交渉術を武器に壁内人類を導いた。だが、ジーク信奉者らが仕掛けた巨人化ワインを口にしてしまい無垢の巨人に変身。最後は部下だったアルミンの一撃で散るのだった。
■キース・シャーディス/新兵を鍛える苛烈な鬼教官の意外な過去とは?
次は、主人公エレンら第104期訓練兵を鍛えてきた訓練教官のキース・シャーディスだ。スキンヘッドの厳しい顔つきで新兵に苛烈なしごきを加え、兵士として一人前に育て上げる様は読者にインパクトを与えてきた。
しかし、物語が進むと、実は過去に調査兵団の団長を務めていたこと、世界の秘密を知るとされるエレンの父・グリシャと壁外調査の最中に遭遇していたこと、そしてグリシャの妻となるカルラに叶わぬ恋心を抱いていたことが明かされていく。
マーレ編では壁内で変わらず新米兵士達を訓練していたが、エレンを信奉するイェーガー派の強襲を受け、彼らに共感した新兵達にリンチを受けてしまう。しかしエレンが暴走し、世界破滅する危機に陥った際は、立場は違えど世界を救うために団結したかつての教え子・104期兵たちを危機から救うため、決死の自爆攻撃を行い散っていった。
■テオ・マガト/差別思想に囚われたマーレ軍最高司令官が見せた男気に涙……
最後は物語終盤のマーレ編から登場したマーレ軍人、テオ・マガトだ。巨人化能力を持ち、かつて自国を虐げたエルディア人を強く憎んでいながらも、彼らを指揮するエルディア人部隊の隊長を務めていたマガト。彼の配下には物語で重要な役割を担うガビ・ブラウンや、ファルコ・グライスといった少年少女の兵士も多く所属していた。
エレンによるマーレ国内へのテロ攻撃時はエレンにライフルを一発放ち「…全員覚えておけよ 一番槍を入れたのはこの私だと」とつぶやくなど、戦場では率先して前線に立つ武人としての気質も持っており、襲撃後は軍の最高司令官に上り詰めた。
だが、エレンがパラディ島以外の世界廃滅へ向けた進撃を始めると、調査兵団の面々たちと目的を一つにして団結。自身に根付くエルディア人への差別意識を捨て、ガビやファルコといった子供たちの未来を守ることこそ天命と決意し、出会ったばかりでありながら同じ使命を抱くキースと固い握手を交わし、気高き自爆攻撃でその命を散らせた。