アニメも大ヒットを飛ばしたバスケ漫画『スラムダンク』に登場するとある二人のキャラ。実は、作者・井上雄彦氏の後の連載作である車いすバスケ漫画『リアル』でも、よく似たキャラが登場しているんです。今回はその二人の登場シーンについてご紹介します。
■ナガノミツル:ガッツのある一本気なキャラは、高校時代から?
一人目のキャラは、ナガノミツル。『リアル』の長野満は主人公・戸川をストリート車いすバスケで負かし、その後に戸川のチームメイトになるなど、本編に絡む主要キャラの一人です。非常に負けん気が強く、威風堂々としていて存在感がある人物として描かれています。
対して、『スラムダンク』には永野満が登場。翔陽高校のスタメンで登場シーンこそあまり多くないものの、湘北戦後半のタイムアウト中には湘北メンバーを鋭い眼光でにらみつけるシーンや、「オレたちにしちゃ ちょっとおとなしすぎたな…永野!!」、「ああ…!!」といった会話を交わすなど、負けん気を燃やす場面が見られます。
苗字の漢字こそ違うものの、髪型や体型も酷似している二人のナガノミツル。翔陽の永野が諸々の経緯を経て『リアル』でも活躍している……という裏設定があるのではないかと想像をめぐらせてしまいます。
■中村記者:少し頼りない天然記者は、ベテランになっても変わらない?
二人目は、中村というバスケ雑誌記者。『リアル』では「週刊バスケットボール」から「パラリアル」へ異動になった直後のシーンから登場するのですが、「週刊バスケットボール」は『スラムダンク』にも登場しているのです。
『スラムダンク』の中村記者は、先輩社員・相田弥生と行動を共にし、「週刊バスケットボール」の新人記者として試合の取材を行うも、頻繁にダメだしされるヘタレキャラ。試合を観覧しているときも、分析は相田任せで中村自身は頼りなく、若干抜けた性格はついつい相田をイラつかせてしまうといったシーンも多く見られました。
一方で、『リアル』に登場する中村記者はすっかりおじさんになっていて、若手記者を部下に持つほど。「パラリアル」の取材としてタイガースの一員である戸川にインタビューするシーンがあるのですが、回答にまごつく戸川に中村記者は失礼な発言を連発。戸川は「メディア嫌い確定」と嫌悪感を露わにします。
さらに、戸川だけではなくタイガースの他のメンバーに対しても同様に失言し、反感を買うはめに。やはり、そういった抜けた部分がどこか『スラムダンク』の中村記者を彷彿とさせますね。
ナガノミツルと中村記者。『スラムダンク』と『リアル』の世界観が同一だという明確な描写はないため同一人物であるという確証はないものの、両者の類似点は非常に多いです。真偽はどうであれ、もし両作品の世界が繋がっていたとしたら……と考えるだけで、ファンとしてはワクワクしますね。