アニメ『銀魂』は1月8日公開の劇場版が累計興行収入17億円を突破するなど今なお人気が高い。多彩な登場人物が『銀魂』の大きな魅力だが、今回はそのなかから“マダオ”のあだ名で知られている長谷川泰三の名エピソードを紹介。
■第16話/出世街道から転落! 代名詞であるマダオという呼び名が初登場
長谷川は初登場した第7話では入国管理局に勤めるエリートだったのだが、同話で央国星のハタ皇子を殴ってしまう。そんな長谷川の末路が明らかになり、初めてマダオ(まるでダメなオッサン)と呼ばれたのが、第16話「考えたら人生ってオッさんになってからの方が長いんじゃねーか!恐っ!!」だ。
切腹を言い渡された長谷川は夜逃げを試みるが先に妻に逃げられてしまい、やがて職も家も失ってしまう。面接に落ち続け、行く先々でマダオ呼ばわりされて傷心の長谷川は、パチンコ店で親交を深めた銀時の助言を受けて心機一転し、タクシードライバーとして再就職する。
コメディタッチながらも、本当に少年漫画が原作なのか疑わしくなるほどに中年の哀愁が全編に漂っていることがこのエピソード最大の特徴。ある意味では後に続く長谷川のメインエピソードを含め、『銀魂』の可能性を拡げた話だと言えるだろう。
■第136話/妻と関係修復できるのか!? 部屋探しの果てに迎える恐怖の結末
ダメ人間同士ということもあって、奇妙な友情で結ばれている長谷川と銀時。二人揃ってギャンブルに興じたり、長谷川のピンチに銀時が手を差し伸べたり、逆に銀時の窮地に長谷川が助太刀したりといった場面が『銀魂』では数多く描かれている。第136話「己の居場所は己で作るものなり」もそんなエピソードのひとつ。
別居中の妻・ハツとの電話のなかで、ハツを家に招くこととなってしまった長谷川。宿無しの身なうえにブラックリストに登録されてしまっている長谷川は、銀時の助けを借りて物件探しを始める。
不動産屋の主人である不動三蔵の適当ぶりと、紹介されるトンデモ物件に長谷川がひたすら翻弄される姿に笑えるこのエピソード。意外な方向へと転がっていた先で迎えるラストも必見。
■第248話/クイズに挑む理由とは? 長谷川の魅力が詰まったパロディ回
普段はまるでダメなおっさんを地で行く長谷川だが、ときには男気を見せることもある。第248話「マダオドッグマダオネア」では、長谷川の奮闘ぶりが描かれた。
理由もわからぬまま一千万円の賞金獲得という目的を果たすため、テレビのクイズ番組に出場した長谷川。クイズのなかで自身の記憶を掘り起こす長谷川は、過去のトラウマを刺激されて苦しみつつも、徐々に番組出場のきっかけとなった出来事を思い出していく。
サブタイトルからも明白な通り、第248話は全編が映画『スラムドッグ$ミリオネア』のパロディとなっている。パロディとしての秀逸さはもちろんのこと、自分に手を差し伸べた人間の幸せのために全力を尽くす長谷川の情の厚さが表れている名エピソードだ。