昨年逝去された作曲家・筒美京平さん。「木綿のハンカチーフ」、「魅せられて」、「ブルー・ライト・ヨコハマ」など数多くの楽曲を世に送り出したヒットメーカーでしたが、実はアニメ作品の主題歌や挿入歌も手掛けていました。
■『怪物くん』/今もなお駅メロに使われる名曲を作・編曲
筒美さんが初めて手がけたアニメソングは、1967年~1968年に放送された『パーマン』の挿入歌である「パーマン2号はウキャキャのキャ」。1968年~1969年放送の『怪物くん』では、主題歌「おれは怪物くんだ」、後期ED「そろた怪物三人組」、挿入歌「怪物くんの子守唄」の3曲を担当しました。
特に主題歌に採用された「おれは怪物くんだ」は、2013年から『怪物くん』の原作者である藤子不二雄(A)さんなど漫画史に残る有名な漫画家が住んでいたトキワ荘跡地の最寄り駅である、西武池袋線・椎名町の発車メロディーに使われています。
■『重戦機エルガイム』/超有名監督の作品に楽曲提供
1984年~1985年放送の『重戦機エルガイム』は、『機動戦士ガンダム』でその名が知られている富野由悠季監督の作品。同作で筒美さんは前期OP「エルガイム-Time for L-GAIM-」、前期ED「スターライト・シャワー」、後期OP「風のノー・リプライ」、挿入歌「傷ついたジェラシー」を提供しました。
そのなかでも「風のノー・リプライ」は、歌唱を担当された鮎川麻弥さんの歌手デビュー曲ということもあって知名度が高く、楽曲は作品の世界観に鮎川さんのイメージを加えて作曲されたのだそうです。
■『サザエさん』/半世紀以上にわたって愛される普及の名曲
1969年の放送開始から今日に至るまで、50年以上も放送され続けている長寿アニメ『サザエさん』。同作のOP「サザエさん」とED「サザエさん一家」の作・編曲を手がけたのが、ほかでもない筒美さんです。
この2曲について特筆すべきなのは、放送開始から一度も変更されることなく使われ続けているということ。今や老若男女問わずに誰もが歌える、国民的なアニメ主題歌と言っても過言ではありません。筒美さんが作ったことを知らずに聞いていたという人も多いのではないでしょうか?
――ここまで紹介した以外にも、1985年に『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』の主題歌「TRANSFORMER~トランスフォーマー」や、2016年に『デジモンユニバース アプリモンスターズ』のED「青い炎シンドローム」などを作曲している筒美さん。筒美さんがこの世を去った後も、その作品はあらゆる場所で流れ、愛され続けています。