2度もテレビドラマ化された人気漫画『GTO』。その主人公・鬼塚英吉の旧友である冴島は、警官であるにもかかわらずグレーな副業に手を出している様子。今回はそんな冴島が鬼塚にひたすらウサン臭い話を持ちかける番外編を振り返っていきます。
■警察署の押収品をとにかくガメまくって横流しに
鬼塚の主観視点で冴島との会話が描かれる「ある日常の記録―警官冴島俊行の場合―」は、ウサン臭い副業に手を染める冴島が鬼塚をハメようとするさまを面白おかしく描写した、本編で3度ある番外編です。
まず紹介するのは第1回目、コミックス8巻・Lesson60での一幕。冴島の自宅に訪れた鬼塚は、さっそく冷蔵庫のなかにヤバそうな薬を発見します。冴島曰く、署から盗み出した押収品のようで、家に招いた女性に飲ませていたという犯罪行為をさらっと口にします。
その薬を鬼塚にトモダチ価格と称して1粒1万円で売ろうとしただけではなく、これまた署から持ち出した裏ビデオをダビングして販売するという儲け話も持ち掛けます。どうやら冴島は押収品をガメる悪癖があるようです。そして次回以降、冴島の裏稼業はどんどんエスカレートしていくことに。
■マルチ商法、詐欺……鬼塚をハメようと尽力
次に冴島との日常の記録が描かれるのは第14巻・Lesson108。待ち合わせた飲食店で後からやってきた冴島は、昼間の勤務中であるにもかかわらず警官制服のままビールを豪快に飲み干して、言葉巧みに話し始めた内容はなんとマルチ商法。
そこからは怪しい話が止まりません。冴島はバイオ松坂牛のオーナーになって新車のベンツを買ったとうそぶき、1頭につき数千万円で取引できる品種を仔牛ならたったの500万円で買えると、鬼塚に売りつけようとします。その現物である霜降りバイオ松坂牛とやらの切り身を鬼塚にチラ見させるのですが、明らかにサラミ。
簡単に騙されない鬼塚に対し、次に繰り出した儲け話は「首都機能移転」に関する情報。冴島は大胆にも首相から移転先の情報を仕入れたと宣います。その移転先は、絶対にあり得なさそうな瀬戸内海の島。そして、購入資金に足りない200万円を貸してくれと鬼塚に頼み込みますが、鬼塚は黙ってその場から立ち去ってしまいます。
■突然始めた輸入代行業は犯罪のオンパレード
最後はコミックス第22巻・Lesson175で、冴島が最近始めたという輸入代行業を手伝いに鬼塚が港まで出向いた際の話を紹介。鬼塚は港に着くとさっそく危険な仕事の手伝いじゃないかと勘ぐりますが、“警官の俺がそんな悪人に見えるってのか”と冴島は主張。
しかし船の中に進むと、拳銃やニセブランド品、アヘンの原料となるケシの花、輸入禁止のパンダなどなど、案の定、怪しい品物ばかりが飛び出します。さらに冴島は取引先と電話でやり取りしているのですが、いずれも怪しい外国人ばかり。
極めつけは、冴島は人型ロボットと言い張るものの、明らかに中国人と思しき人間。不法入国の幇助と人身売買にまで手を染めたであろう冴島……。それには高校時代からの戦友である鬼塚も、前回と同様に何も言わずその場から立ち去ってしまいました。