さまざまな事情で事実上の凍結状態だった『機動戦士ガンダムSEED』劇場版。なんと5月28日に、制作が再決定したことが発表されました…! そこで続編となる劇場版の展開を予想。今回は“もう一人の主人公”とも言えるアスラン・ザラ編!
2002年10月に放送開始したテレビシリーズ『機動戦士ガンダムSEED』(全50話)と、2004年10月に放送開始した続編テレビシリーズ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(全50話)をもとに、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者が考察させていただきます。
■ラブストーリー視点でとらえれば主役は間違いなくアスラン
遺伝子操作をしていない通常の人類「ナチュラル」と、遺伝子操作された新人類「コーディネイター」との対立を描いた『機動戦士ガンダムSEED』。
主人公キラ・ヤマトは、自身はコーディネイターでありながら、ひょんなことからナチュラル側の地球連合軍のガンダムパイロットとなります。一方、キラの幼馴染だったアスラン・ザラは、コーディネイター側のザフト軍でエースパイロットになっていました。
かつての親友とガチンコの殺し合いの戦闘を繰り広げることになった二人ですが、物語後半で和解し、第三戦力としてナチュラルとコーディネイターの戦争終結のために共闘するのです。
そんな戦火の最中で、アスランは中立国家・オーブ連合首長国の代表首長の娘であるカガリ・ユラ・アスハと恋仲に……。
しかし、アスランとカガリの恋人関係は、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で破局が匂わされました。
『DESTINY』では当初アスランは偽名を使い、オーブ連合首長国代表首長となっていたカガリのボディガードを務めていましたが、ザフト軍に復帰することになり、二人の気持ちは徐々に離れていくのです。
カガリは親同士が定めた許嫁との結婚を決意し、アスランへの恋心を封印。その許嫁との結婚は破棄したものの、その後もアスランへの想いを押し殺して、アスランからもらった指輪を外していました……。
それ以降のストーリーでは、アスランとカガリの恋の行方がどうなったのか描かれないままテレビシリーズは終幕。
けれど冒頭でお伝えした通り、お蔵入り状態だった『機動戦士ガンダムSEED』劇場版がリブート! アスランとカガリの恋に決着がつくのか、ファンの間で注目が集まっているというわけです。
ちなみに、『SEED』の主人公であるキラはラクス・クラインという恋人がおり、もはや老夫婦のような安定した関係になっていますし、『DESTINY』の主人公であるシン・アスカもルナマリア・ホークという恋人ができました。
つまり、主人公二人の恋愛要素はある意味もうキレイに完結しているので、ハラハラドキドキのラブストーリー展開を担える主要キャラはアスランぐらい。
モビルスーツ同士のダイナミックな戦闘シーンが『ガンダム』という作品の醍醐味ではありますが、戦時下における人間同士のドラマ、特に男と女の深い愛憎劇も『ガンダム』の大きな見どころです。
要するに、『機動戦士ガンダムSEED』劇場版をラブストーリー視点で考えたときに、その恋愛パートの主役を張るのはアスランになるはずなのです……!
アスランとカガリはまだ恋愛感情的に惹かれ合っているのですが、カガリのオーブ連合首長国代表首長という“肩書き”などが、二人の恋路を邪魔しているのは間違いないでしょう。ですからポイントは、カガリがその“肩書き”のしがらみを脱ぎされるぐらい、アスランが覚悟を決めて、情熱的に真っすぐな愛を伝えられるかにかかっているように感じます。
アスランとカガリの恋物語はハッピーエンドで完結するのか? ――劇場版への期待は高まるばかりですね。