【進撃の巨人】実は意外とシュールなギャグがキレキレ…癒しを与えてくれたギャグ要員

コラム

TND幽介

 

2021年4月、ついに完結した漫画『進撃の巨人』。人類と巨人の戦いを描いてきた本作には、凄惨なストーリーに癒しを与えてくれるコメディリリーフ的なキャラも多数登場した。今回はそんなキャラをピックアップ!

 

 

■サシャ・ブラウス/作中屈指のボケキャラにして、みなの涙を誘った名脇役

まずは、主人公のエレン・イェーガーらが属することになった104期兵のメンバーであるサシャ・ブラウスを紹介したい。スラリとした体躯にクリッとした目、栗毛の髪をポニーテールにした健康的な美少女であるサシャだが、その性格は一癖も二癖もあった。

壁内人類のなかでも田舎の地方であるウォール・ローゼ南区ダウパー村出身で、言葉にかなりの訛りを持っている彼女。そんな出自をバカにされないためか、物語当初は妙に敬語じみた訛りのない言葉でみなと接しており、どことなく壁を作ってしまっていた。

しかし、その実態は超がつくほどの食いしん坊。その食欲は凄まじく、美味しそうな食べ物があると周りの目を気にせず猪突猛進で食らいつくほど。そんな性格が徐々に漏れ出していくに従い、104期生たちとは一気に打ち解けていった。その暴走ぶりは作中人物、そして読者に笑顔を届けてくれたのだ。

 

 

■コニー・スプリンガー/実直で裏表のない性格で104期生を繋ぎ止めた存在

そんなサシャとの“おバカコンビ”の片割れとして読者に愛されてきたのがコニー・スプリンガーだ。ウォール・ローゼ南区ラガコ村の出身で、家族や友達を大切にする好感の持てる性格をした丸坊主の少年である。

自信家でもあり、訓練兵時代は自ら天才を称することも多かったが、実際は命令の誤認など抜けたところも多く、周囲に抜けっぷりを突っ込まれることが多かった。同じく突っ込まれがちなサシャとはウマが合い、長い時間を共にするなかで、兄妹のような関係を築いていた。

壁内の最終戦であった「ウォールマリア奪還作戦」の終盤では、絶体絶命の状況でありながら、エレンの家が燃え盛るのを目にして、「エレンの家ぇぇがああああ」と謎のダジャレを繰り出し、同期のジャンの指示でサシャにツッコミを食らっていた。読者にとって、コニーは裏切ったりしないはずという安心感と親近感を与えてくれる名キャラクターだ。

 

 

■ハンジ・ゾエ/巨人に研究にとんでもない偏愛を見せるぶっ飛びキャラ

エレンら104期生の多くが所属することになった調査兵団。壁外調査という死亡率の高い任務をこなす精鋭集団の第四分隊長であり、のちに調査兵団団長の任を引き受けた実力者だ。その目鼻立ちの整った顔立ちや理知的かつ物腰の柔らかい話し振りから、一見するととっつきやすい人物に見えるが、その趣味嗜好はかなりクレイジー。

というのも、打倒巨人の想いが極まり、巨人の生態研究に偏愛を注ぎすぎて、周囲の空気を読めない一面を持っているのである。巨人の生態をエレンに一昼夜ぶっ続けで嬉々として語り出したり、巨人の新たな生態が発覚するや自身の怪我も厭わず大喜びで接触したりと、常人の感覚からズレまくった言動を繰り出し、エレンや読者を混乱させまくってきた。

しかし、その根底には人類を救いたいというアツく堅い意志が眠っており、物語終盤はそうした意志を問われる場面が増え、シリアスな表情を見せることも多かった。だが、元来の“空気の読めない性格”はその頃も残っており、鏡に向かってシリアスなセリフを吐いたエレンに「何してるの?」と純粋な表情でエグすぎるツッコミを連発させ、読者にシュールな笑いを提供してくれたのだ。