【僕のヒーローアカデミア】ヒロアカは敵のサイコな美学が秀逸すぎ! 凶悪ヴィラン3選

コラム

TND幽介

アニメも絶好調の大人気マンガ『僕のヒーローアカデミア』。個性豊かな特殊能力を持つヒーローとヴィランの激突を描いた本作には、それぞれ思想の異なる野望を抱いた凶悪な犯罪者たちが登場してきた。今回は物語を彩る名ヴィランを3人紹介する。

 

 

■死柄木弔/戦いの中で覚醒してゆく悪のカリスマ、緑谷出久“最大の宿敵”!

まずはヴィラン連合のリーダー・死柄木弔を紹介したい。ボサボサの白髪にボロボロに乾いたような肌を持つダウナーな雰囲気の青年で、線の細い体つきだが多くのヒーローを葬るほどの凶悪な“個性”を身につけている。

No.1ヒーローとして愛されてきたオールマイト積年の宿敵である悪の黒幕、オール・フォー・ワン(以下、AFO)。そんなAFOを「先生」と慕い、彼に拾われて以来、悪のカリスマとして教育を受けてきたのが死柄木なのだ。個性は5本の指で触れたものを粉々に砕く「崩壊」。その能力はのちに5本の指で触れずとも崩壊を広げられるほどに成長していくことになる。

死柄木は、物語当初は破壊を楽しむ自己顕示欲の強い、幼稚な性格が目立ったが、多くの仲間を抱え、命がけの激闘を繰り広げるなかで過去の記憶を取り戻し、成長していった。彼がその身にまとうのは、自分の個性の暴走で殺してしまった家族の「手」。怒りと悲しみを文字通り体に貼り付けた死柄木は、今後どれほどの巨悪に変貌していくのだろうか……。

 

 

■ステイン/高すぎるヒーローへの理想に取り憑かれた凶悪な辻斬り魔

次に紹介するヴィラン・ステインは、基本的に死柄木のような組織だった活動はしていない単独犯のヴィランだ。彼は「ヒーロー殺し」の異名を持つように、次々とヒーローを狙いその命を奪っていった連続殺人犯であると同時に、熟練したハンターでもある。

目元を覆うボロボロの赤いマスクと2本のナイフ。ギラつく目には不屈の闘志が宿っている。彼は利益や名声などに固執し、本来の志を忘れた多くのヒーローたちを「贋物」を呼び、粛清の対象としている思想犯なのだ。彼が唯一認めるのは、ヒーローの理念を体現するオールマイトのみ。

劇中では、ヒーローを粛清するという点で一時的にヴィラン連合と手を結び、保須市を襲撃。ヴィラン連合としては組織の脅威を世間に知らしめる目的だったが、実際は出久を含む多くのヒーローと交戦、捕獲されてもなお自身の信念を鬼気迫る表情で訴え続けたステインが、世間の注目をかっさらう形となった。その個性は血を舐めた相手の動きを強制的に封じる「凝血」。地味な個性ではあるが、鍛え上げたステインの身体能力と相まり、非常に危険な力を発揮した。

 

 

■オーバーホール/ヒーロー飽和時代でも虎視眈々と権力復活を狙うヤクザの若頭

次は、ヴィラン連合に次ぐ悪の勢力として登場したヤクザ・死穢八斎會の若頭であるオーバーホール。その本名は治崎廻と言い、死穢八斎會の組長が病に伏したあとは事実上のリーダーとして組を運営していた。線の細い男前の顔立ちだが、目つきの悪さはさすが悪役といった迫力を宿している。

劇中世界ではオールマイトを中心としたヒーロー、そして裏社会において絶大な権力を有したAFOの台頭により、ほとんど壊滅状態に陥っていたヤクザたちだが、オールマイトの引退とAFOの逮捕により活動を再開し、極道の権力復活を目論んだ。その計画の中心にあったのは、組長の孫であり「巻き戻し」の個性を持つ6歳の少女・壊理。彼女を無理やり実験に使い、個性を封じる薬品を抽出。それを込めた弾丸を裏社会で流通させることで富と権力を手中に収めようとした。

治崎の個性は触れたものを分解・再構成できる「オーバーホール」。相手に肉体を瞬時に分解して殺害することや、自身や部下の肉体の修復や改造、さらには壁や床を再構成して攻撃に転じることもできる非常に汎用性に優れた能力だ。これを使い壊理から個性を封じる薬品を作り出していた。カリスマ性のあった悪役である。