今年公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で26年に及ぶシリーズの歴史に幕を下ろした『エヴァ』。今回は、そんな『エヴァ』で綾波レイ役を演じたレジェンド声優・林原めぐみさんの、意外すぎるキャリアを振り返っていきます。
■女らんまやリナ=インバースなど元気・勝気キャラ!
現在、林原めぐみさんの代表作と言って真っ先に挙がるのは『エヴァンゲリオン』シリーズ(1995年~)の綾波レイ役、次が『名探偵コナン』(1999年~)の灰原哀役ではないでしょうか。
レイと灰原は“クールで物静か”という共通点があるため、林原めぐみさんはこういった系統の美少女役が得意だと思っている人は少なくないでしょう。
しかし、林原さんの声優としてキャリアを振り返ると、むしろ“クールで物静か”とは真逆な、“明るい勝気キャラ”を得意としていたことがわかるのです。
林原めぐみさんが、メジャー作品で初めてメインヒロインに抜擢されたのは『魔神英雄伝ワタル』(1988年~)の忍部ヒミコ役。ヒミコは天然でおバカな元気娘でした。
そして、林原めぐみさんが大ブレイクしたきっかけは、『らんま1/2』(1989年~)の主人公・早乙女らんま(女らんま)役でしょう。格闘家である男子が女子に変身するという設定なので、見た目はかわいらしい女の子ですが、内面は超勝気な男の子というわけです。
その後、『エヴァ』と同時期に始まった『スレイヤーズ』シリーズ(1995年~)の主人公・リナ=インバース役も長年務めましたが、リナは些細なことにはこだわらない豪快な性格の自称「美少女天才魔道士」という勝気キャラでした。
また、『ポケットモンスター』シリーズ(1997年~)では、気が強く高飛車でワガママなムサシ役も熱演されています。
このように、綾波レイ役のクール美少女イメージが広く浸透するまでの林原めぐみさんは、元気キャラ・勝気キャラの美少女役が多かったのです。
ですから、もしかすると林原めぐみさんが『コナン』の灰原哀役や、『からくりサーカス』(2018年~)のヒロインでありクール系美女の才賀しろがね役に抜擢されたのは、綾波レイ役を演じた実力とそのイメージを買われていたからかもしれませんね。
余談ですが林原めぐみさんは、何と『平成天才バカボン』(1990年)でバカボン役を演じたことも…! そして、世界的人気のキャラクター、ハローキティの声優も長年務めているのです!
つまり、林原さんは“クールで物静か”なキャラだけが得意なわけでもなければ、“明るい勝気キャラ”だけが得意なわけでもなく、凄まじく幅の広い役を演じ分けられるプロフェッショナル。控えめに言って“天才”ということなんですよね。