【注意喚起】愛犬に甘噛みしたら命の危機…!? 呼吸ができなくなるほど重症化した男性

コラム

 

2012年、栃木県に犬を愛する家族が住んでいた。トラック運転手をしていた男性とその妻。そして2人が愛してやまないのが、フレンチブルドッグのジュリー。

 

仕事で全国を飛び回る夫が出先のペットショップで一目惚れし、家族になったのだ。

 

一般的には人懐っこいと言われる、フレンチブルドッグ。夫は、いつもしつこいくらいに愛でていた。なので甘噛みされる! これがお決まりパターンに。

 

すると! なんと痛さを教えるためにと、夫がジュリーに甘噛みの仕返し!! これが夫と愛犬のルーティン……しかし、この甘噛みが後に命を脅かす事態へと発展する!

 

ある日のこと。プランターで育てていたゴーヤを枯らしてしまったので処分することに。

 

その翌日に異変が……気持ち悪く、食欲がない。風邪でも引いたのか……そう思い、夕食を食べずにすぐに寝た。

 

次の朝、何か口元に違和感が。朝ご飯を食べる時も、なぜか口が思うように開かない。

 

これは異常だと思った夫は、仕事を休み町の病院へ。そこで夫は「破傷風」と診断された。

 

破傷風とは、傷口などから破傷風菌に感染し、菌が作る毒素によって引き起こされる症状。毒素は神経を侵し、筋肉に強い痙攣を引き起こす。

 

最初は口が動かしにくくなる症状から始まることが多く、口が勝手に「いー」の形になってしまう特徴もある。

 

医師は、最近ケガをした手で農作業や土に触ったりしなかったかと夫に質問をした。破傷風菌は、土壌などに広く分布している、どこにでもいる菌。

 

土に接触する機会が多いと感染の可能性も高まる……しかしプランターの土に触ったが夫は手にケガなどしていない。医師に大学病院を紹介され、病院へ行くと、すぐに入院をすることになってしまった!!

 

 

■破傷風で命の危機に

 

実は破傷風は、顔面から始まる症状が全身に広がっていき、重症だと体が弓を引いたような格好になり呼吸筋の麻痺により窒息死することもある。すでに夫はICUに入る状態だったのだ!!

 

それにしてもなぜこんなことになったのか? 実は、愛犬を甘噛みしたことが原因だと思われるのだが、この時は誰もそんな事を思っていなかった。

 

ICUに入り数日後。音や光に過敏になり、激しい痙攣を起こすようになったため部屋を薄暗くした。やがて夫は自発呼吸ができなくなるほど重症化。

 

 

夫はICUに入り意識不明の状態が3か月も続いたがその後奇跡的な回復を見せた! でようやく、彼は破傷風になった原因に気づき始める。

 

あの日……枯れたゴーヤを処分していた時、ジュリーがめちゃくちゃ作業の邪魔をした。おそらくここで土や枯れ葉にいた破傷風菌が犬のジュリーの体に付着。

 

で、夫はいつもの『甘噛み』をたくさんしてしまったのだ! ここで破傷風菌が口の中に入り、虫歯を伝って感染したと思われた。

 

おバカな行動で、命の危機にあった本人は……もう二度と犬には噛み付かないと誓ったという。

 

かわいい愛犬から思わぬ感染症になることも……過度なスキンシップに注意。(2020年7月28日OA)