【簡単にわかる『呪術廻戦』】そもそも呪霊はなぜ生まれる? 自然から生まれた呪霊って?

コラム

citrus 二階堂銀河

 

2020年10月にアニメ化した『週刊少年ジャンプ』連載中の『呪術廻戦』は、人を呪う呪霊と呪術師のバトルを描きます。ここで改めて「呪霊」という存在が何たるかを振り返りつつ、自然から生まれ強大な力を持つ特級呪霊4体をご紹介。

 

 

■呪術師が祓う「呪霊」とはそもそも何?

呪霊とは、恐怖や苦痛、恨みなど人間の負の感情が具現化したものであり、人間から漏出した呪力の集合体。意思を持ち、呪力がなく呪霊を見ることが出来ない人間に襲いかかる、悪霊のような存在です。学校や病院といった多くの人間が関わる場所は負の感情の受け皿となりやすく、呪霊が吹き溜まりやすい傾向にあります。

なかには「特級仮想怨霊」と呼ばれる呪霊も存在し、呪術師は特に警戒しています。例えば有名な妖怪や怪談は、実在していなくても多くの人間から恐れられていることから強力な呪いとして顕現しやすく、そのような呼ばれ方をされるようになりました。

しかし、人々が古来より常に恐れ続けているものはそんなお伽話ではありません。「特級仮想怨霊」よりも強大な力を持つ呪霊は、「天災」つまり「自然」に向けられた恐怖や憎しみによって生まれた呪霊なのです。

その「自然」に向けられた呪力は大きすぎるがゆえに、呪霊は形を得る前に知恵をつけて今まで息をひそめていました。そして、集いし「大地」「森」「海」「人間」の呪霊4体は、1000年以上前から活動する呪術師・羂索(けんじゃく)とともに呪術界への攻撃を開始します。

 

 

■「自然」から生まれた呪霊4体を紹介

「海」の呪霊である陀艮(だごん)は4体のなかで最も非力ながら、一級術師である禪院直毘人(ぜんいんなおびと)と七海健人(ななみけんと)らを同時に相手にして、なお優勢を取る実力を誇ります。その陀艮が禪院甚爾(ぜんいんというじ)によって祓われたあと、満身創痍の直毘人と七海のもとに姿を表したのが、「大地」の呪霊である漏醐(じょうご)。

直毘人と七海は漏醐の存在を間近に捉え、「おいおいおい、冗談だろ?」「陀艮という呪霊より格段に強い」と面食らいます。そして、対抗する間もなく一瞬で葬られた2人。おそらく漏醐に太刀打ちできる呪術師の数は、片手で数えられる程度しかいないでしょう。作中で漏醐を圧倒できたのは、呪いの王と呼ばれる両面宿儺(りょうめんすくな)と五条悟(ごじょうさとる)だけでした。

「森」の呪霊である花御(はなみ)は、作者の巻中コメント曰く「花御より漏醐のほうが強いですが、花御は漏醐よりはるかにタフ」という、防御力に定評のある呪霊です。主人公・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)と東堂葵(とうどうあおい)のタッグによって攻撃力の高い技を何発も食らい、作者曰く「漏醐だったらまず死にます」というくらいのダメージが蓄積されますが、花御は生き延びます。しかし、のちの五条との対戦では、その自慢の防御力も全く意味を持たず、あっけなく祓われることに。

最後に、「人間」の呪い――つまり人が人を憎み恐れた腹から産まれた呪いである真人(まひと)は、呪霊のなかでも極めて強い悪意を持ち、人間をおもちゃのようにもてあそび、殺害します。また、多くの呪術師と好戦的に戦い、虎杖らの前にも何度も姿を現し交戦します。そして、結果的に虎杖の術師としての進化、精神的な成長を促し、変化を与えたキャラとも呪霊と言えるでしょう。