『ドラえもん』何人知ってる? 実はたびたび登場してる“のび太のご先祖様”3選

コラム

citrus 文月

 

『ドラえもん』の登場人物・野比のび太といえばドジで間抜けな冴えないやつ。だが、のび太のご先祖様も彼に負けないほどおっちょこちょいな人ばかりなのだ。本記事ではそんな印象に残るのび太のご先祖様を3人ご紹介!

 

 

■のび作/のび太をより臆病で鈍くした存在!?

まずはコミックス第1巻『ご先祖さまがんばれ』に登場したのび作をご紹介。

スネ夫の家で彼の先祖が使っていた家宝の刀を見て、自身の先祖がどういう人物だったのか気になったのび太。自宅に戻り父・のび助に話を聞くと、野比家の先祖は鳥や獣を狩って生活していたという。その事実にのび太はがっかりしてしまうが、なぜかのび太以上に対抗心を燃やしたドラえもんは、「負けてたまるか!!」と憤慨しタイムマシンで過去に直行。のび太の先祖を家老、もしくは殿様にしようと試みる。

過去に戻ったのび太たちであったが、突然ドラえもんが矢で射られてしまう。「ワーイ、はじめてぼくの矢があたった。大ダヌキだ」と喜びの声を上げたのがのび太そっくりの冴えない先祖・のび作であった。ドラえもんたちはのび作を出世させるために、戦に行かせようとするのだが、「おら、おっかねえこときらいだよお」とのび作は情けない態度を見せる。

仕方なくのび太が彼の代わりを務め、ひみつ道具『透明マント』『スーパー手袋』『タケコプター』などを駆使し、何とか相手の大将を捕まえることに成功。彼に手柄とひみつ道具を渡し、現在に帰ったドラえもんたちであったが、後日『タイムテレビ』で確認するとのび作は手柄を放棄し、ひみつ道具を駆使してイノシシを狩っていたのである……。

 

 

■のびろべえ/ホラ吹きになったのはドラえもんのせい?

次に紹介するのが、コミックス第14巻『ホラふき御先祖』に登場するのびろべえ。

学校の宿題で自分の先祖について調べることになったのび太は、父・のび助にどんな先祖がいたのか聞くことに。すると、のび助の口から出たのは通称・ホラのびさんと呼ばれる大ボラ吹きの先祖・のびろべえの存在であった。

先祖が実際にどういうホラを吹いたのか気になるのび太とドラえもんは、のびろべえがいた時代までタイムマシンで向かうことに。しかし、そこで出会ったのびろべえが言うには、自分はホラを吹くどころか、村一番の正直者だという。そこで、のび太たちは話をゆっくりと聞くために現代へ彼を連れて行くことに。

しかし、のびろべえは未来の街並み、技術にひどく驚き怯えてしまう。その驚きようは相当で、水道やガスを使ってお茶を出そうとするだけで「ヒャア魔法だ」と仰天するほど。その後も、テレビを見て「え、え、絵が動いた!」と叫んだり、「ギャー 鉄のイノシシだあ」と自動車に追いかけられたりし、しまいには高層ビルを目の前に「ターカイナ ターカイナ」と発狂気味に声を荒げる始末。

気の毒に思ったドラえもんたちは、タイムマシンで彼を過去に帰すが、のびろべえは村の人々に未来での出来事を事細かく話してしまう。だが、当然聞き入られることもなく、その日からのびろべえは「ホラのびさん」と呼ばれるようになってしまったのである。

 

 

■のび左ェ門/やっぱり野比家は昔から変わらなかった

最後にコミックス第4巻『のび左ェ門の秘宝』に登場するのび左ェ門を紹介しよう。

お年玉が隠された地図を父・のび助に渡され、穴を掘っていたのび太。無事にお年玉を見つけるも、手間がかかる分だけの報酬がないとのび太は愚痴を漏らす。本当の宝探しでもできればいいのにと文句を垂れていたところ、先祖・のび左ェ門が記した宝の地図の存在が発覚。歓喜するのび太とドラえもんであったが、その地図は肝心の隠し場所がちぎれてなくなっていた。

諦めきれないふたりは“宝を埋めるところを見ればいい”と考え、タイムマシンで過去に行くことに。過去に行ってしばらく歩いていると、のび太そっくりの少年・のび作と出会い、彼の父親が問題ののび左ェ門であることが判明。さっそく宝を埋めるところを見ようとするが、ソワソワするふたりを察したのかのび左ェ門は彼らを怪しみ始める。

なかなか埋めてくれず痺れを切らしたドラえもんたちは、隠れてのび左ェ門を見張ることに。すると、のび左ェ門が川の近くに宝らしきものが入った壺を埋めたのを目撃。急いで現代に戻って、その場所を掘るドラえもんたちだったが、宝は見つからなかった。そこで、ふたりは作戦を変更し、のび左ェ門が埋めた直後に掘り返そうとする。だが、ふたりが過去に戻って目にしたのは、のび左ェ門から渡された地図を頼りに穴を掘るのび作の姿であった……。時代は変われど、やっていることは変わらない野比家のDNAを感じることができる話だ。