『進撃の巨人』ジャン好きはけっこう多い! 気難しくヤワな性格の彼が急成長した瞬間

コラム

citrus ささみのおにく

 

今年1月10日からアニメのファイナルシーズンが放送されている『進撃の巨人』。魅力的なキャラクターの多い本作だが、なかでもメインキャラの一人であるジャン・キルシュタインは、その人間らしい弱さも魅力。今回は彼が大きく成長したエピソードを見ていこう。

 

 

■マルコの死と調査兵団入団

ジャン・キルシュタインの成長を語るうえで外せないのが、2013年に放送されたシーズン1の第16話「今、何をすべきか〜反撃前夜3〜」で回想される、同期マルコのセリフではないだろうか。

そのセリフは、「怒らずに聞いてほしいんだけど…ジャンは強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できる。それでいて現状を正しく認識することにたけているから、今何をすべきか明確に分かるだろう?」というもの。

3種類の兵団のなかでも内地で安全に暮らすことができる憲兵団を志望していたジャン。しかし、兵団を選択する前日に巨人襲撃でマルコを失ったことでこのセリフを思い出し、恐怖に震えながらも、自らの能力を人類のために生かそうと戦死率の高い調査兵団へ志願するのだった。

 

 

■敵を殺してでも進む覚悟を得た王政編

次に紹介したいのが、2018年に放送されたシーズン3の第39話、「痛み」でのエピソード。退廃した王政へのクーデターの鍵となるエレンとヒストリア。ジャンたち調査兵団は2人を奪いにやってきた、ケニー率いる中央第一憲兵団の対人制圧部隊と激戦を繰り広げていた。その最中にミカサが蹴り飛ばした敵兵士が、ジャンの前に倒れ込んでくる。

ジャンは戦う相手が巨人から人間に移ったことに躊躇いながら、「動くな!」とブレードを向ける。しかしその迷いの隙を突かれ、敵兵士にブレードを弾かれ、逆に銃口を突きつけられる窮地に陥ってしまうのだ。咄嗟にアルミンが敵兵士を銃殺することで事なきを得たものの、ジャンは敵兵士を殺すことに戸惑ったことを深く後悔する。

これをきっかけにジャンのなかで人間を相手に戦うことへの覚悟が決まり、その後の対人制圧部隊との戦闘では、躊躇いながらも敵兵士を殺害し、厳しい戦乱を突き進む兵士として任務達成に貢献するのだった。

 

 

■命懸けでマルロの覚悟を聞き出した名演技!

最後に紹介したいのが、2018年に放送されたシーズン3の第41話、「信頼」での展開だ。憲兵団のヒッチとマルロを拘束した調査兵団のリヴァイ、ミカサ、アルミン、ジャンの4人。だが調査兵団の行動に共感するところがあったマルロは、「リヴァイ兵士長、俺に協力させてください」と進言。しかしリヴァイはマルロの覚悟を測りきれないと断わり、出発後に解放すると告げる。このやりとりを見ていたジャンは2人の管理を「俺にやらせてください」と提案するのだ。

ジャンはヒッチとマルロを少し離れたところまで連れていくと、「俺の独断で殺すことにした」と、突如2人にナイフを向けて襲いかかる。だが直後に転倒してしまい、それを見逃さなかったマルロにナイフを奪われるもすぐさま態勢を立て直し、ジャンはマルロの顔に銃口を押し当てる。追い詰められたマルロは、それでも「あんたが今も命を懸けて戦い続けるかぎり、俺はあんたを信じる」と言いナイフを投げ捨てるのだった。

なんとこの一連の流れは、マルロの覚悟を確かめるためのジャンの演技。意志の固さを確認したジャンはリヴァイを説得。その後、マルロの情報をもとに、検問所の突破を成功させるのだった。マルロの意志の固さに気付くところも素晴らしいが、自身の危険を顧みず行動に移す勇気は、これまでの経験があってこそではないだろうか。